卒業

いつものように
一緒に晩ごはん食べて
いつものように
一人ホテルに泊まって
いつものように
電車で帰る

シゴトはちゃんとしてるのか
毎日ご飯を食べてるのか
もう少し
オシャレに気をつけられないものか
もっと上手に育ててやれたら
もっといい男になったのだろうか

後悔だらけの交差点に
リュックを背負った好青年
悪気のない
人の好さが後ろ姿にも滲み出て

あの子も
この青年のように
育ってくれると良かったのだが

どんな顔をしてるんだろう

信号待ちを装いさりげなく覗き込む

「あ…」
「あ…」

ムスコだった

ハハの夢
とっくに叶っていた

ここでハハも子離れ完了だ












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