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【私小説】消えたいわたしを抱きしめる

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私小説です。
アピールポイントはありません。強いて言うなら小説が全部読めるところです。随時アップしていきます。
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2023年1月の記事一覧

消えたいわたしを抱きしめる37

「おおっと、どうした? 何かあった?」 「なんでもないの」

消えたいわたしを抱きしめる36

消えたいわたしを抱きしめる35

翌朝、早朝に目が覚めると私は病院に帰る支度をしていた。悲しいことに「病院に帰る」なのだ。もう私の居場所は病院しかないのかもしれない。

消えたいわたしを抱きしめる34

暗い部屋の中で私は泣いた。そこは病院よりも温かいはずの家なのに、冷たくて、悲しくて、つらくて孤独だった。

消えたいわたしを抱きしめる33

「あら、おかえりなさい」

消えたいわたしを抱きしめる32

10月5日の朝、私は外泊届を書いていた。 「あら、ご家族は来ないの?」 「はい」

消えたいわたしを抱きしめる31

消えたいわたしを抱きしめる30

その時、ナースステーションにいたのは明日香さんだった。

消えたいわたしを抱きしめる29

何かを手に入れるためには、何かを捨てなければいけない。 私は病室のほんの数センチしか開かない窓を開けた。秋風がスーッと入ってきて、よっしーが「じゅんちゃん、寒いよ」と言った。もうすっかり季節は秋だった。

消えたいわたしを抱きしめる28

消えたいわたしを抱きしめる27

「じゅんちゃん、調子悪いようだけど、どうしたの? のーりさんと何かあったんじゃない?」

消えたいわたしを抱きしめる26

「じゅんこさーん」

消えたいわたしを抱きしめる25

その日のカウンセリングが終わって、病棟の看護師さんが私を迎えに来た。