マガジンのカバー画像

【私小説】消えたいわたしを抱きしめる

80
私小説です。
アピールポイントはありません。強いて言うなら小説が全部読めるところです。随時アップしていきます。
¥1,000
運営しているクリエイター

2022年12月の記事一覧

消えたいわたしを抱きしめる24

白い部屋、ここはカウンセリングルーム。

消えたいわたしを抱きしめる23

私は母に電話した。

消えたいわたしを抱きしめる22

私が退院を意識し始めたのは、10月のことだった。 診察室の中で先生はこう言った。

消えたいわたしを抱きしめる21

消えたいわたしを抱きしめる20

私は彼を呼んだ。

消えたいわたしを抱きしめる19

私はこの病棟で、友達もたくさんいたし、 前の病棟にいた時にできた彼もいた。 彼は、しょっちゅう面会に来てくれた。 「じゅんこさん、可哀想なんだもん。行くところないんでしょ?」 彼は少し笑って言った。

消えたいわたしを抱きしめる18

夜の病室は寂しい気持ちになる。 なので、みんなが集まるデイルームに行くことが多かった。 車椅子のよっぴーは、多分50代くらいの女性。なのにすごく若く見える。 心が純粋だから若く見えるっていうのも、嘘ではないと思った。 「あたしね、今度お父さんに手すりを作ってもらうんだ」 畳の部屋で寝転び、嬉しそうに言う。 「よっぴーはリハビリ、頑張りまーす!」 どこまでも前向きな彼女は本当に眩しい。

消えたいわたしを抱きしめる17