ヴィンチェンツォと男のときめき
クムガプラザツアーがあったら全力で参加したい、じゅんぷうです。軽くネタバレしています。
『ヴィンチェンツォ』熱がおさまらず連投してますが、このドラマでいくつもあるツボのうち、もっとも早い段階で刺さったのが舞台となる雑居ビル「クムガプラザ」の住人たちの描写。前も書きましたが「普通であって普通じゃない」「弱者の皮をかぶった」奇人たちという、香港映画でチャウ・シンチーが得意とする超強力な背景。クムガプラザにオフィスを構える法律事務所ジプラギの事務長さんなんて、もうそのルックスから文句なしのシンチークオリティでしたよね。脚本のパク・ジェボムがまさにシンチーの『カンフー・ハッスル』からインスピレーションを受けて造形したという魔窟の住人たちがワン・チームとなっていく様が団体芸のようで気持ちいいし、巨悪バベル&ウサン法律事務所との戦いも、一部はシンチー作品にあってもおかしくないナンセンスギャグの世界。効果音の使い方も見事にお約束でした。
そんなギャグにハードボイルド、サスペンス、ヒューマンにブロマンスにといくつもの要素がうまいことマッシュアップされている+キャラクターの強さというのが『ヴィンチェンツォ』の魅力だと思うのですが、その中でも、小技を効かせて大きな働きをしていたのがアン君ではないでしょうか?
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アン君です!
「不時着の保険屋さん」「誰よりもユンセリを探した男」…『愛の不時着』でセリの生命保険担当スチャンを演じたイム・チョルスさん。ここでは対外安全情報局の海外犯罪組織対応チームでイタリアチーム長を務めるアン・ギソクとして、誰よりもヴィンチェンツォを探してました。マフィアのコンシリエーレが入国した!こいつはお国の一大事!!ってヴィンチェンツォの居所を探して探して探し過ぎて、ついに会えたときにはまるでテレビを見ている視聴者みたいに「ヴィンチェンツォだー」って本人を前にひとりごとレベルの棒読み調で発声しておられた彼。
あるときはイタリアンレストランの調理補助、あるときは赤いジャンパーの男…マンガ的なダイナミックな動きや抜かりない表情、『ゴッドファザー』ポーズに太極拳と、アン君のシーンはもれなく細かい笑いが散りばめられています。クムガプラザのほかのメンバーに比べると、際立って特徴的なルックスでもなく、むしろどこにでもいそうな男。なのにアン君が画面に映っているだけで面白くなるんだからずるいっ。
マフィアの美学の理解者…?
ヴィンチェンツォに身分を明かし、そして彼の危機を救ったあとのシーン。条件を3つ挙げますが、その3つ目が「ハグして」。ハグしてって言ったあとの遠くを見るアン君の表情も最高だし、次のカットで呆然としているヴィンチェンツォにチャヨンが「ほら早くハグしなさいよ!」と言ってパンと叩く、その男前さも含めて、この一連は愉快なエピソードでした。
こうして男たちをときめかせているヴィンチェンツォですが、年齢や立場の設定によってときめきの種類もいろいろ。みんな違って、みんないい。パク・ソクドについてはまたの機会に。
※アン君のヴィンチェンツォファンクラブ、なんだかんだで野郎が多そうですね。
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