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視えちゃったっていいじゃない?『保健教師アン・ウニョン』

『保健教師アン・ウニョン』は「保健室のアン・ウニョン先生」という小説が原作。ドラマタイトルは、同じチョン・ユミ主演の映画『82年生まれ、キム・ジヨン』とおそろい感出してる感じですね。Netflixオリジナルシリーズで、韓国ドラマには珍しく50分×全6回と大変コンパクト。ほぼ1日で見終った感想です。

サイズこそコンパクトではあるものの情報量が多い!

アン・ウニョン(チョン・ユミ)は幼いころからいろいろなモノが視えた。

幽霊が視えるだけではなく、人の感情や欲望、他人同士の気持ちのつながりがゼリー状の物体として見えてしまう。

そのせいでツラい人生を送ってきたけど、人を助けるのが運命。

私立木蓮高校に保健教師として赴任したウニョンは、その力を使って、学園内を徘徊する悪しきモノを封印し、生徒たちを守っていた。

唯一、ゼリーを寄せつけない清らかな保護膜を持つのが同じ高校の漢文教師で創立者の孫でもあるホン・インピョ(ナム・ジュヒョク)。

ウニョンはインピョに触れることで、悪霊退治で消耗したエネルギーをチャージすることができる。

『麗-花萌ゆる8人の皇子たち-』『恋するゴールドメダル』『ハベクの新婦』と見てきたけどナム・ジュヒョクはこんなにおでこ出さないほうがよくない?

両班のお帽子かぶって授業。こ、これはかわいい…

学園が舞台のゴーストバスターなファンタジー、しかも生徒たちが自由でカオスなので最初は『斉木楠雄のΨ難』の世界観で『地獄先生ぬ~べ~』的な見方をしていたのです。ウニョン先生が悪霊や妖怪と戦う武器も、レインボーに光るおもちゃのライトセーバーと(15分しかもたない…)、BB弾を放つおもちゃの銃(22発しか撃てない…!)。

第1話の時点でラスボス的なグエムルみたいなエグイのが出てきて、毎回モンスターと派手なCGで戦うのかなと思ったらそんなことはなく。また霊能力でお悩み解決していく保健室のカウンセラー的なことでもなく。インピョとのラブコメに突っ走るのでもなく。学園をめぐるミステリー、そしてウニョンが平凡な幸せや自分の存在意義を見つめ直すゾーンに入っていきます。もう「みたくない」よね。悲しきダニ獲り転校生ヘヨン(百恵ちゃんみたいな髪型)が抱えるストーリーは女性の生きにくさ=『82年生まれ、キム・ジヨン』にも通じる。格差やLGBTの差別エピソードもがんがん入ってます。

ゼリーや浮遊するモノたち、説明できない部分がすごくポップに描写されて、不思議というフィルターをつけられている感はありましたが、インピョの祖父の銅像や写真、奇妙な体操、個性的な生徒たち、闊歩するアヒルたちなど、シュールな世界と独特なOSTがクセになるドラマでした。説明されない謎が多い点で『熱海の捜査官』を思い出した。

インピョのパワーでチャージしているときのウニョンの紅潮したお顔が、満たされた子どもみたいでかわいらしかったですが、序盤でインピョが様子がおかしいウニョンに言う「笑わないで。怖いから」がツボ。

次は前髪を下ろしたナム・ジュヒョクを求めて『スタートアップ』に突入です。

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