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ザ・たこさん、関東2公演(新宿紅布「TOP GEAR SHOW!!」+マッチポイント逗子「ザ・たこさん×小野瀬雅生」)

2023年2月25日(土)

昨年10月23日の新宿紅布「新宿コネクション」以来となるザ・たこさんの関東公演。今回は新宿と逗子の2連続公演ということで、両日楽しみに観に行った。

まずは25日(土)、新宿紅布での「TOP GEAR SHOW!!」。出演は順に、ダイナマイト☆ナオキ、ザ・たこさん、MAMORU&The DAViES。

ザ・たこさんは2番手で、ファンク曲多め。現体制になってから僕が観るのはこれがまだ2度目だったが、前リズム隊との音の個性の違いがけっこうハッキリ感じ取れた。同じ曲でも違いが随所に。ファンクのなかにもブルーズの色が濃く混じるのが現体制のザ・たこさんと言えそう。生聞45分。あっというま。正直、物足りない。

2023年2月26日(日)

ザ・たこさん、関東2連続公演の2日目は、逗子のレストラン&バー「マッチポイント」にて。

1部は小野瀬雅生さん(クレイジーケンバンド)のエレキギター弾き語り。2部はザ・たこさん。そして、ザ・たこさんwith小野瀬さんという構成。

小野瀬さんの弾き語りは、歌よりも喋りが長めの漫談調。ユルく、ほのぼの。あるライブでは1曲目を歌うまでに20分以上喋って、歌はないんですか?と客に聞かれたそうな。

『ウルトラセブン』第41話「水中からの挑戦」の1場面にインスパイアされて作ったという河童ちゃんの歌、ミートソースを頼んだら白いシャツにソースがついたといった内容の「ミートソース」など、そうだよな、歌ってもんは別に愛だの人生などを歌わなくてもいいんだもんなと気づかされるオリジナル曲の、その独特の風味。加えて「ルパン三世」や「ど根性ガエル」のエンディングテーマや、ジェフ・ベック(「Cause We’ve Ended as Lovers」)弾き真似なども。人柄のよさが滲み出たオン・ステージでした。

2部は、ザ・たこさん。登場時からお客さんたちが湧きまくり。とにかく客の熱気がものすごい(そしてその熱は最後まで続くことに)。そして客の熱気がすごい分だけ、メンバーたちの演奏と歌も熱を帯びる。はっきり書くなら前日の新宿紅布でのライブに比べ、演奏のクオリティもライブそのものの雰囲気も数倍よかった。つくづく、ライブというものは演者と客によって作られるものだと実感した。

曲は前夜に続いてファンク曲多めだが、「愛の讃歌」といった歌ものも混ぜて構成。前夜も披露された新曲「チキン&ポーク」(チン〇)からの「テンガ」という流れがソレ繋がりで、いい。そして中盤から小野瀬さんがジョイン。となれば、やっぱこれです、「タイガー&ドラゴン」。ケンさんのこういった曲(シティポップ成分よりも演歌成分多めのやつ)の世界観は安藤さんにも通じているもので、よって「タイガー&ドラゴン」、他人の曲を歌唱している感がなく、ずっぱまりだ。

ケンタッキーでのマントショーで盛り上がりに盛り上がって本編を終えるも客の興奮がおさまるわけはなく、アンコールの「カッコイイから大丈夫」で後ろのほうの客は椅子に乗ってオーライオーライイッツォーライと腰振りダンス。それでもおさまらず誰からともなく「お豆」コールが広がって「お豆ポンポンポン」。安藤さん的にはこの再延長でおしまいのつもりが、今度はみんなが猪木コール。そうなりゃ断れないのが安藤さんで、待ってましたの名曲「猪木はそう言うけれど」。なぜだかマッチポイントでのザ・たこさんライブでは必ずこの曲が求められるという、やらずに帰れないというくらいの大人気曲だ。で、「猪木はそう~言うけれど~~」と、みんながシンガロング。なんだろか、この一体感、このホーム感は!

複数出演のイベントと違って本当に好きな人たちばかりが集まった、だからこそ密度の非常に濃い生聞90分。ザ・たこさんも小野瀬さんも最高なら、客も最高!!

そして、自分は久々に、というか現体制になってからは初めてそこそこ尺の長いライブを体験して、現在の4人バンドの個性とポテンシャルの大きさを強く感じることができた。ある意味のポップさは減じたかもしれないが、ブルーズやファンクの濃さ・泥臭さを生き生きと面白く表現するほうに迷いなく向かって結束しているという、そんな印象。コロナの影響もあり関東での公演がなかなかなかったのでしばらく観ていなかったが、新しいザ・たこさんは結束力を高めてこうしていい調子で転がっている。自分にとってはそのことが体感的にハッキリわかったことも嬉しい逗子公演でもあった。


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