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T字路s@日本橋三井ホール

2023年11月25日(土)

日本橋三井ホールで、T字路s。

8月から行われている「THE BEST OF T字路s TOUR 2023」の東京公演。今回のツアーはホールでの公演も含まれており、東京もこれが初の単独ホール公演だ。が、ライブハウスで見慣れていても、このホールのキャパ感が今のT字路sにちょうどよく感じられる。しっくりくる。それになんといっても日本橋三井ホールは音響がいい。始まってすぐ、このホールで観ることのできる喜びが感じられた。ベース音もギター音もよく響き、それぞれの音の個性が伝わってきた。

*以下、ツアーはまだ続いているので細かくは書かないが、いくつか演奏曲に触れる箇所もあるので、これからご覧になられる方で何を演奏するか知りたくないという方はご注意を。

いつものように前半・後半に分けた2部構成。ふたりでやる曲もあれば、テナーサックスの西内 徹さんとトランペットの黄啓 傑さんが加わって4人でやる曲もある。「THE BEST OF T字路s TOUR」なのでT字路sの代表的といっていい曲が歌われるライブだが、ベストアルバムに収録されなかった曲もいくつか選ばれ、「おっ、これが聴けて嬉しい!」と胸が躍った場面もあった。

ツアー終盤だからか、東京で初のホール公演だからか、とにかく妙子さんの気合いが漲っていて、とりわけ後半の畳みかけが凄かった。

自分的には特にグッときたのが、「最後の手紙」と「ホームにて」の並び。ベストアルバムの曲決めの際に行なわれた「あなたの好きな楽曲投票」で、僕が選んだ3曲中の2曲がそれであり(もう1曲は「宇宙遊泳」)、しかも続けて演奏されたので「オレ得」感があった。「最後の手紙」のイントロが聞こえたときに、やはり大きく拍手している観客がいたので、(僕と同じように)好きな人は大好きなのだろう。「ホームにて」はさらによかった。深かった。中島みゆきの歌だが、T字路sの歌として深く響いてきた。もちろんこれまでにもライブで歌うのを聴いたことはあるが、今回聴いた「ホームにて」が今までで一番よかったように思う。正直、ちょっと涙でた。

ベスト盤には入らなかったが、久々に「愛の賛歌」も歌われた。しかもアンコールで歌われることの多かった曲だが、今回は本編の1曲として歌われた。この曲でトランペットとサックスが入るのも新鮮だった。とりわけトランペットが効果的に響くアレンジになっており、今まで聴いたその曲とは少し異なる感触があった。この曲後半の妙子さんのビブラートの効かせ方がすごかった。まさしく魂の歌唱。

年内まだ数本あるようだし、12月というわけでもないのだけど、何かこうたいへんだった1年がこれで終わったような感覚が妙にあったな。来年はいい年になるといいな、頑張ろう、なんて思ったりして。そんな気持ちにさせる「人生の応援歌」たち。T字路sがいてくれて、T字路sの歌があって、よかったなと、改めて強く思った夜。

下はベスト盤をリリースした際のインタビュー。その下はカヴァー集『COVER JUNGLE』のときのインタビューです。


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