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『SHE SAID / シー・セッド その名を暴け』(感想)

2023年1月15日(日)

吉祥寺プラザ(初めて行ったけど、昭和の香りを残した映画館でいい感じ)で、『SHE SAID / シー・セッド その名を暴け』。

ハーヴェイ・ワインスタインの性犯罪を暴くニューヨーク・タイムズの女性記者ふたりを主人公にした実録映画。言わば米国版『新聞記者』だが、あれよりいろんな意味で真摯かつ強力。見応え大あり。ずしんときた。

男性優位社会の権力者の圧力下で、「声にならない(したくてもできない)」女性たちの声。ワインスタインの悪事に限った話じゃなく、その根底にあるのは国の法のシステムであり、(劇中で言及される通り)社会構造の問題である……という提起に、いやほんとそうだよなと。そのことに疑問と抵抗をしっかり示し続けることこそが重要なのだ……という強いメッセージを受けとめた。

ゾーイ・カザンとキャリー・マリガン。ふたりの熱演が素晴らしい。スーパー女性なんかじゃなく、家庭をもって子育ての苦労もありながらその仕事をしていて、夫は自然にそれをサポートしているというあり方(描き方)がいいし、僕はそこに共感したりもした。

不安を煽るようなニコラス・ブリテルの弦楽が効いていて、サスペンス映画としても一級品。おすすめです。


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