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ウソツキ@下北沢・CLUB Que

2024年3月31日(日)

前回観たのは昨年4月1日の代官山UNIT。ちょうど1年前だ。
それがウソツキ=竹田昌和になってからの初のバンド編成ライブだった。

サポートメンバーはノーナリーブスの小松シゲルさん(ドラムス)、トライセラトップスの林幸治さん(ベース)、パスピエの三澤勝洸さん(ギター)。自分は今回、代官山UNIT以来1年振りにウソツキのライブを観たわけだが、その間にこのバンド編成で何回やったのかな?   何度かはやってるはずだが、そこまで回数多くはなかったはず。だけど、もう何度もやってるんじゃないかと思えるくらいに4人の息が合っていた。そりゃあ1年の間に進化しているのは当然なんだろうけど、それにしてもそのアンサンブルの素晴らしさにちょっと驚いてしまった。腕利きの3人が上手いのはまあ当然としても、竹田くんが3人をすごく信頼してのびのび弾いて歌っているのがよくわかったし、それによってバンド感が音としてバーンと前に出ていて、それがよかった。そうなると自ずと竹田くんのヴォーカルの強さが際立つし、ギターのよさもちゃんと引き立つことになる。元来、彼は声の出力が相当ある人だが、3人を信頼して自信を持ってバーンと歌っているから、ある意味で迫力も出るのだ。

そしてそうなると自ずと楽曲それぞれのよさ、メロディの強さもまた際立ってくる。今回はけっこう初期の曲、かなり久しぶりに演奏される曲もあったのだが、そうした昔の曲がアップデートされて現在の曲になるというか、新たな生命が宿るというか、もっと言ってしまえば「ああ、この曲ってこんなにいい曲だったんだ?!」と思ったりする、そういう瞬間が何度もあったのだった。

「惑星TOKYO」に始まり、前半の宇宙・地球・惑星・異星人系楽曲はなんか現在のモードを感じられてよかったし(それは今回のテーマでもあった)、後半の「ハローヒーロー」「ピースする」の流れには今のこの時代/世界に対する彼なりのメッセージと言っていいものがあり、それを並べて歌うところにも頼もしさのようなものを感じた。いま「ハローヒーロー」を歌う意味、いま「ピースする」を歌う意味、それが強く感じられてグッときた。

MC部分では、ベースの林さんがぐいぐいと竹田くんをいじったりつっこんだりしていて、バンド時代に拓斗くんが担っていたその役割をより鋭利にやっているようでもあり、ときにやや暴走気味に思えるところもあったけど、でもまあ竹田くんはいじられることでかえって個性というか面白味が発揮されるところもあるので、それもまたよきかなと思ったりも。

そうそう、あと、「いま、曲を書きまくっている」と竹田くんは言っていて、アンコールではそのなかから「スパーク」(って言ってたよね、確か)という新曲を初披露したんだが、これが一回聴いただけで「おおっ」となるくらい(まさにスパークするような)強くていいメロディで輝いていた。つまりいま、彼はソングライターとしても相当いい状態にあるってこと。

10周年なんだそうだけど、ここからが新たな始まりなんじゃないかと、そんなふうにも思えたライブだった。




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