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『〇月〇日、区長になる女。』(感想)。

2024年1月20日(土)

ポレポレ東中野で『〇月〇日、区長になる女。』。

杉並区初の女性区長となった岸本聡子さんの選挙戦までを追ったドキュメンター。監督は杉並区に20年住む劇作家のペヤンヌマキさん。

帰国したのが投票日の2か月前という岸本さんが、いかにして3期12年続けた田中良を打ち破ったか。その奮闘(及び葛藤)をダイナミックに伝えていて、投票日当日の様子は結果を知っているというのに妙にドキドキした上、『ロッキー』並に感動した。

岸本さんの人間力もさることながら、自分自身の問題として参加しカメラを回し始めることとなったペヤンヌマキさんの撮影・監督・構成・編集力に唸らされる。猫と住む自身の部屋の中に始まり、そこから視点が徐々に大きくなるが、最終的にはカメラは再び自分の部屋へ。そうした構成によって、それが今「私」の身に起きていることなのだと実感させるのだ。実に見事で魅力的な人間ドキュメンタリーである。

因みに主題歌は黒猫同盟(小泉今日子と上田ケンジのユニット)による「黒猫同盟のミュニシパリズム」というもので、その歌を作ったのはブランジャー明日香さん。この方がこのような音楽的才能もお持ちだとは知らなかった。ミュニシパリズムは地域自治主義のことで、岸本区長の基本とする考え方。「ミュニシパリズム」って言葉、覚えにくいけど、歌にすれば耳に残るんじゃないかってことで作られたわけですね。ナイス!!

いや、まじで面白いです、この映画。で、率直に言って杉並区民になってよかったと思えたというか、区民であることの意識が高まったというか、ちょっと誇らしい気持ちになったりも。おすすめです。


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