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Rei @日本橋三井ホール

2021年7月3日(土)

日本橋三井ホールで、Reiの「アコースティック・ツアー “マホガニー・ガール”2021」東京公演。その2ndショーを観た。

去年1月(まだコロナ禍になる前だ)に浅草・雷5656会館で観た「アコースティック・ツアー “マホガニー・ガール”」とはまったく異なる印象。あのときとは趣向が大きく変わり、今回は弾き語りと言えども大半が立って動きながらのものだったし、アコースティック・ツアーとはいえエレキ使いとアコギ使いの割合を半々にして表現の仕方をぐっと多様にしてみせていた。

予めSNSで呼びかけて観客に食器を持参させ、それを楽器のように鳴らすことで曲に参加させるなど、「ライブとは双方向によって成り立つもの」ということを改めて実感させる演出もあり。ステージにいるのはたったひとりだけれど、こんなこともあんなこともできちゃうんだ。そのように見せ方・伝え方の可能性を大きく広げてみせたライブだったと思う。

また三井ホールは音響が非常によく、後ろにズラっと並んで自分の出番を待っている9本とReiがそのとき弾いている1本…計10本のギターの音色と響きの違いがありありとわかった。「響き」そのものの強さ・繊細さが楽曲の個性をより豊かに伝えていたという印象だ。それはもちろんReiの歌声の響きにもいい影響をもたらしていた。

アンコールでは、なかなか有観客のライブができなくなったいまのこの状況の中でこうしてみんなと場と音楽を共有できていることの喜びをReiは言葉にし、涙も。その思いも込めて歌われたスローの曲にグッときた。あ、あと、Reiが尊敬するというある女性歌手の初期曲カバーの、そのブルージーなアレンジもよかったな。

いままでなら、バンドセットがライブ活動の主軸となるもので、アコーステイック・ライブはサブという認識が(受け手にも、本人にも)あったかもしれないが、いまのReiにとってはそうじゃなく、アコースティックももうひとつの確立した軸としてある。自身もそう言い切れるものに、今回のツアーを通してなっているんじゃないだろうかと、そうも思った。

無観客では絶対に味わえないライブのステキさを強く実感できた一夜だった。

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