イベイー@恵比寿リキッドルーム
2019年4月22日(火)
恵比寿リキッドルームで、IBEYI(イベイー)。
オープニングアクトは女性3人組のBlack Boboi。僕はこのグループのことも、オープニングアクトがあること自体も知らずに観たんだが、(黒で統一された)見映えも音もあり方もモダンでとってもよかった。ジャンルで言ったらエレクトロニカってことになるのかな。けど声の合わさりが幻想的で、ビョーク~ジェイムス・ブレイクとかにも通じる祈りの感覚があって、森の中で聴くのが一番ぴったりきそう。バリ島の山奥とかで聴くのもよさそうだ。
なんていうグループかも知らずに観て、で、帰って検索してわかったんだけど、なんと3人のうちのひとりはソロやD.A.N.で何度かライブ観てCDも買ってた小林うてなさんでした。髪型がまったく変わってて全然気づかんかったわ。というか、彼女は“鬼の右腕”の異名を持つスティールパン奏者なのに、このBlack Boboi(昨年結成されたそうな)ではそれを持ちこまないんですね。やっぱ才能ありまくり。いつかお話したいものです。
そしてビルボードライブでの公演からけっこうあいて(もう3年くらい経つかな)、久々のイベイー。一夜限りの日本公演。
ステージ上の機材はOAのBlack Boboiよりも簡素。置かれ方も特徴ありで、通常のバンドだとドラムの置かれる位置に鍵盤と打楽器。それと通常のバンドでギターとベースが立つあたりの位置(前方の両端)にそれぞれもうひとつの鍵盤と打楽器があって、結ぶと三角形になるという。つまりふたりは前方両端に分かれて演奏したり、後ろで並んで演奏したりもするんですね。あと、今回は後ろで映像も流れてたんだけど、その映像のなかでふたつの球体が並んで波動出してるようなものとかあって、そういうのも含めて双子ってところを絵的にも表現してるんだと思ったり。
で、結論から書くと、今回のイベイー、あまりによくってびっくりしました。100点満点で200点つけたくなるくらい。前回ビルボードライブで観た公演も相当よかったんだけど、そこからの成長・進化の度合がハンパない。スキル、見せ方、熱量と、あらゆる面でスケールアップしてましたね。
プリセット音があるもののナマ楽器はリサの鍵盤とナオミの打楽器(バタドラムとカホーン)のみ…なんだけどとっても広がりのある音で、そこにのってふたりの呼吸までもあったヴォイスが放たれると空間丸ごと膨らむ印象があるっていう。ザックリ分けるならリサがメロディ、ナオミがリズムを担ってるわけだけど、それだけでグルーヴが生まれるわけですよ。そのグルーヴが前回公演より数倍増して感じられたんです。
何度も楽器から離れて前に出てきて並んで歌うふたりの声の合わさりは、ア・カペラだとブルガリアン・ヴォイスとかああいう神秘性も含みつつ、でもソウルミュージックのように熱くて魂揺さぶる感覚もあって。で、今回は前回以上にそれぞれの個性の違いも際立って見えて、気品もありのリサと野性的なナオミ、それぞれのセクシーさと強さと可愛さがわかりやすく伝わってきた。あと、うまく歌えたあとにハイタッチするかのようにふたりで頭をごっつんこさせたりする仲良し表現も微笑ましくて。もう、好き好き度数が前回公演の何倍にもなっちゃった。
アイコンタクトでいろんなことがピタッと合うのは双子ならではって感じだし、なんたってライブにかけるパッションが凄いし、のせ上手だし。クールめなCD聴いてるだけだった人は絶対にぶったまげるライブを彼女たちはするんだけど、昨夜は特に熱かったよなぁ。映像と音の同期も見事なもんだったし、本当に期待を遥かに上回った素晴らしいライブでありました。
それだけに満杯にはなってなかったのが残念。野外にこそ合うライブをやるふたりだから、フジにでも出たらブラックミュージック好きもワールドミュージック好きも巻き込んで大評判になって一気に人気爆発しそうなんだけどね。早くみんなに気づいてほしいよ、こんなにもライブが最高なデュオだってことを。(因みに以前のインタビュー読んだら、プリンスも彼女たちのライブ観て惚れ込んで、終わってから挨拶しに来てナオミのことベタ褒めしてたらしいっすね)
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