ネナ・チェリー@ビルボードライブ東京

2019年8月19日(月)

サマソニ3日間についてのことはあとで書くとして、先にこちらの感想を。サマソニで見損ねたネナ・チェリーをビルボードライブにて(1stショー)。

これがたいへん素晴らしかった。新作主体かと思いきや、昔の曲も思ってた以上にやってくれて、しかもそれが完全に今の音で強度を持って鳴らされることのすごさ。「7セカンズ」は歌唱があの頃より遥かに深まってるのを感じたし、「マンチャイルド」のアレンジはいまどきのベースミュージックとも呼応してるようだったし、「バッファロー・スタンス」はオリジナルの解体と再構築で完全に新しい何かになっていた。巻き込むリズム。ズンとした懐深きダブ音響。国籍も年齢もまちまちなバンドメンバーは6人中4人がマルチ奏者で、例えば電気ハープ弾いてた女性がベースも弾いてたり。パーカッションの女性は後半かなりファンキーに弾けてて、僕の席は近くだったので見てたらいろいろ叩きながら歌ったりもしてて、その表情がまたよかったです。

なにしろ過去曲のどれもにノスタルジーなど少しもなく、鋭さだったり重みだったりが増してたのがさすがだなと。さすがというかネナ・チェリーはそもそもそうやって音楽の冒険をやめないできた人だとわかって観に行ってるわけだけど、それでもやっぱああして体感するとグッときちゃうし、嬉しくなりますね。同世代だけに励まされる感覚にもなる。やー、かっこいいわ。

あと、どっか80年代のクラブとかにあった熱や猥雑さみたいなものを感じとれたところもあって(いや、そこまで観客みんなが盛り上がりまくってたということではなく、あくまでも音の感触とか空気感みたいなものとしてだけど)、個人的にはtokyo soy sourceの復活なんかとも呼応してるような気がしたり。なんかあると思うんだよね、今またそういう風が吹いてる感じが。

下に貼ったのはラストにやった「バッファロー・スタンス」。もう30年以上も前の曲なんだよな。それが2019年にあんなにかっこいいことの奇跡。




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