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Caravan、GOMA & The Jungle Rhythm SESSION@日比谷野外音楽堂

2021年9月18日(土)

日比谷野外音楽堂で、「HARVEST 14th Anniversary Special ”The Blessing”」。出演はCaravanと、GOMA & The Jungle Rhythm SESSION。

感染拡大による中止を避けられたのはよかったが、まさかの台風接近で朝起きたらどしゃ降り。Caravanも「朝起きて”終わった…”と思った」と話していたが、夕方には小雨になって無事開催できたことは、まず何より。湿気が高くて酷くむしむししたけど、久しぶりに野音ならではの開放感を味わうことができた。

初めにCaravanがさらっと出てきて挨拶。GOMAちゃんを紹介し、第1部はGOMA & The Jungle Rhythm SESSIONのライブ。今回はパーカッションの辻コースケさんのスケジュールが合わなかったことから、 The Jungle Rhythm SECTIONではなくThe Jungle Rhythm SESSIONの名に変えての特別編成だ。が、それでもディジュリドゥのブオ~っという音の振動がカラダに伝わると同時にグルーブが押し寄せる。辻コースケさんの不在は確かに小さなことではなかったが、久しぶりにこのバンドにしか出せない振動を直に感じて自分のカラダが喜んでいた。できれば立ち上がって踊りながら音を浴びたかったのだが、それはまたコロナ収束後の楽しみとしてとっておこう。

セットチェンジとサウンドチェックによる休憩を挿んで、2部はCaravan。サウンドチェックのあと一度引っ込むことをしないで、そのまま「じゃあ、このまま始めます」とひとりでギターを弾き始めた。初めに歌われたのは「サンティアゴの道」だった。自分が担当した先のふたりの対談でGOMAちゃんが「この前、Caravanの“サンティアゴの道”を聴いていたんだけど、あの歌詞、今にぴったりだなって思った。本当にこう、巡礼のような」と話していたが、まさしくコロナ禍の今聴くと尚更心にぐっと響いてくるものがある。Caravanが今回のライブの1曲目にこれをもってきたことの意味が実感できた。

そこからバンドメンバーが加わり、次々に曲を演奏。曲自体についてのMCはなかったが、今のこういうときに歌われることの意味ある曲ばかりが選ばれているように感じた。絶妙なバンドアンサンブル。ドラムの椎野恭一さんはThe Jungle Rhythm SESSIONからの連続演奏だ。宮下コースケさんのペダルスティールの音がまた日の暮れた野音によく合っている。

Caravanは「このライブの開催にあたって、いろいろ考えたし、否定的な声も届いた。でもたくさん考えた上で、やることを決めた。やるからには祝祭的な日にしたい」「こんな状況のなかでこうして集まってくれているみんなは、本当にぶっといライブラヴァーだと思う。本当にありがとうございます」といった内容のことを話し、集まった観客たちに何度も感謝の言葉を述べていた。無観客配信ではなく、そうして観客の前で演奏ができること。ミュージシャンにとってそのことがどれだけ強い実感を伴うことかがよくわかる。その喜びと感謝の思いが彼の言葉と演奏から強く感じられた。また「どうか自分を大事にしてください。自分の大事なひとを大事にしてください」という言葉も胸に響いた。

GOMAちゃんのときは雨はほとんど降ってなかったが、しかしCaravanとバンドの演奏が熱を帯びていくに従って雨脚が強まり、後半ではけっこうなどしゃ降り状態に。それでもしっかり雨具を用意してきた観客たちはときおり腕をあげて横に振ったりしながらライブを楽しんでいた。「なんか、緊急事態のなかの緊急事態みたいな感じになっちゃったけど…。みんなどうか健康には気をつけて。絶対風邪ひかないようにね」とCaravan。そしてアンコールでは再びGOMAちゃんを呼んで、Caravanのバンドとセッションで1曲。さらに最後にはCaravanとGOMAのふたりだけでもう1曲。ディジュリドゥとアコギの混ざる様はイメージしにくかったのだが、結果、これがなんとも幻想的な混ざり合いを見せ、夜の野音にぴったりだった。美しく、余韻が残った。

緊急事態宣言下に大雨のなかで観た野音ライブ。なかなかない特別なシチュエーションだったゆえ、長く記憶に残りそうだ。

下は自分の担当した、CaravanとGOMAの対談。困難なこの時代をどう生きていくか、その鍵になるような、とてもいい話をしてくれているので、多くのひとに読んでいただきたい。


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