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ハリー・スタイルズ@有明アリーナ

2023年3月25日(土)

有明アリーナで、ハリー・スタイルズ。

女性客の数が圧倒的に多いだろうと思っていたが、そんなことはなく男性客が想像を遥かに越えて多かったことは、ある意味嬉しい驚き。

開演前にはデヴィッド・ボウイなどUKアーティストの曲に加え、ハリー細野の曲が2曲流れたりも(「風をあつめて」と「僕はちょっと」)。ほんとに好きなんだねー。

『ハリーズ・ハウス』の曲も以前の曲もプリセット音などには頼らず、全てバンドがしっかり生演奏するライブ。ある程度は電子音で組み立てる作りをイメージしていたので尚のこと、彼のバンド志向を「えらい! 嬉しい!」と感じた。

そりゃハリーぐらいのトップスターにつくんだから当然なんだろうけど、それにしても若い子たち(わからないけど、たぶん全員20代)のバンドのレベルは、非常に高かった。みんな腕があって(特にドラムのコが凄い。涼しい顔で歌ってるようなドラムを叩くのだ)、だけど誰一人としてドヤ顔じゃなく、みんな終始ニコニコ楽しそうに演奏していた。信頼し合ってるんだろなー、こうやって笑い合いながらツアーを回ったんだろうなー、というのがわかる、とってもいい雰囲気。バンド内ジェンダーバレンスも最良で(男女半々の編成)、そのへんにもハリーの意向&メッセージが反映されているんだなと思った。

ハリーもまた間違いなくスーパースターでありながら、昔のスターと違ってドヤ感を1ミリも見せない。マイケルでもプリンスでも誰でもいいが、過去のスターにあったそういう雲の上の存在的な近づき難さを排除し、ステージ上と観客席との垣根なんてないという見せ方・伝え方をするのだ。

MCの多くが日本語だったのもそのひとつ。「日本に住みたいです」とか。「ネギ味噌ラーメン、肉なし、お願いします。あと、チャーハン、肉なし、お願いします。あと、メンマ、ひとつお願いします」とかね。「餃子、肉なし、お願いします」とも言ってたな(でもハリー、それって最早餃子じゃないw)。で、度々キメ言葉のように、元気いっぱい「ガンバリマ~ス!!」。客席から投げ入れられた「ちいかわ」をかぶって歌ったりも。あと、決して引き締まりまくった肉体というわけではないのがまたよかったな。

軽快なポップ曲、聴かせるバラード曲、スケール感ありのロック曲と、そのへんの構成バランスもよく練られたもので、約1時間半の間に何度かピークがくる作り。僕的には本編終盤の「Late Night Talking」から「Watermelon Sugar」の流れで最高に盛り上がった。

総じて、見上げられる存在であろうとするのではなく、キミたちがいて僕もいる、そこに上も下もない、というスタンスであろうとするところに、2020年代的で、昔とは全然違うスターのあり方を強く感じたライブ。観に行ってよかったし、とにかく楽しい約1時間半だった。

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