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『孤狼の血 LEVEL2』

2021年9月3日(金)

吉祥寺アップリンクで、『孤狼の血 LEVEL2』。

ダレるところなど少しもない。熱量が凄くて最後まで惹きつけられた。松坂桃李と鈴木亮平、両者ともに演技が素晴らしく、わけても鈴木の怪演が光っていた。タッパがある分、回し蹴りの美しさも映える(吉川晃司に匹敵するレベル)。加えて、村上虹郎のチンピラっぷりもいい。彼がいなければ今作はもっと薄っぺらいものになっていただろう。

とにかくパワフルで、その点に関しては前作を上回る。けれども物語としての面白さ、脚本の練られ方では、やはり前作のほうが遥かに上。結局は日岡(松坂)と上林(鈴木)の対決という単純な構図に落とし込まれていて、そこに県警本部のあれこれが絡んでくるのはいいけど、意外さはさほどない。深みもない。前作からの3年で日岡(松阪)があまりに強くなりすぎてるのも気になった……というか、いくらなんでも不死身すぎるだろう。前作に比べてカタルシスの引き起こし方が漫画っぽいのだ。まあそこが面白いと言う言い方もできるっちゃできるんだけど。物語の深みという点で、前作の役所広司の存在の大きさを改めて思うことにもなった。ああいう大人がいるのといないのの違いの大きさを実感させられたというか。

日岡にとっての重要な女性は、今作は西野七瀬さん。上手いわけじゃないけど、よかったです。けど、前作の阿部純子さんにあった奥行きはなく、そういう点もひっくるめて、自分はやはり前作のほうが好きだな。

とか書いてるが、とはいえこんなにハードでパワフルな日本映画は今ほかにないし(昔はたくさんあった)、 『LEVEL2』は 『LEVEL2』としての面白さがあったと言えましょう。さて、『LEVEL3』はありかなしか?!


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