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『DUNE/デューン 砂の惑星』

2021年10月27日(水)

池袋・グランドサンシャインで、『DUNE/デューン 砂の惑星』 (IMAX2D)。

あくまでも個人の感想として。

IMAXで観てこそ。IMAXで観なけりゃ意味がない。そう言われていることに多いに納得するだけの迫力は確かにあった。だが、ずーっと薄茶色い砂の景色で、ずーっとハンス・ジマーの重たい音楽がかかっていて、まずそれに飽きてしまった。「そろそろ景色を変えてくれー」と心のなかで叫んじゃったな。

今作は壮大な物語のあくまでも序章で、さわりの部分だけしか描かれてない。それでいて2時間35分という長さ。マーベル作品だったら20分くらいでテンポよく描きそうなところを、平たく伸ばしてるような作りだ。しかも盛り上がる場面が極めて少ない。その分、登場人物たちの出自を丁寧に掘り下げているかというと、そういうわけでもない。

ドゥニ・ヴィルヌールは確固たる作家性を持った監督だ。その作家性が好みかどうかで評価が分かれる作品だろう。大絶賛している評論家は多い。が、自分には2時間35分が恐ろしく長く感じられ、はっきり書くなら途中で飽きてしまった。結論としては、自分にはいまのドゥニ・ヴィルヌールの作家性が肌に合わないということなのだろう。『プリズナーズ』など、まだストーリー性を重視してた頃の作品は好きだったし、『メッセージ』もグッとくるものがあった。が、そういえば『ブレードランナー2049』が自分には退屈でたまらなかった。哲学と映像美をバキバキに重視するようになって確固たる作家性を獲得したあのあたりから、どうもこの監督に対する苦手意識が強くなってしまっている。ノーランもそうだが、ヴィルヌールも映画体験の新たな可能性を探求して広げることに邁進し、映像と音楽の力で押し切るみたいなほうにどんどん突き進んでいる印象がある。その凄さ・革新性はわかるんだが、自分は低予算のものでいいから出てくる人間たちの心情表現にフォーカスされた作品のほうが好きだ、ということを改めて強く思った次第だ。





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