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Char 45th Anniversary Tribute Live、Day1 ~JLC session~

2023年6月27日(火)

LINE CUBE SHIBUYA(旧・渋谷公会堂)で、Char デビュー45周年企画「JLC & PINK CLOUD トリビュートライブ」、そのDay1「JLC session」。つまりCharが「Johnny, Louis & Char」時代の曲を演奏するライブだ。

ある人たちにとってのビートルズと同じように、J.L&Cは自分にとってロック音楽を聴く真の喜びを教えてくれたバンド。10代のときにリアルタイムでどハマりしてライブを追いかけた。『FREE SPIRIT』も『tricycle』も『OiRA』も100万回聴いた(というのは大袈裟だけど、それぞれマジで数百回は聴いた)。日本のロック史において、未だJ.L&Cのかっこよさを超えるバンドは出てきていないと思っている。……というくらいに特別な存在だ。

Charのライブでたまにあの時代の曲をやることはあっても、今回のようにJ.L&Cの曲ばかりをやるライブというのは解散後なく、なので僕は(去年Charがコロナにかかって延期になっていた)このライブを本当に楽しみにしていたし、だからしっかり加部画伯によるOiRAのジャケTを着て観に行った。

ベースが澤田浩史で、ドラムはZAX。マーちゃんもジョニーももういないけど、J.L&Cの曲をCharが(ほぼ)アレンジ変えずにたくさんやってくれるだけで最高に決まっているし、実際最高だった。夢のよう、とも言いたくなるくらいに。

『OiRA』のインスト曲「KINDESALTER」をCharがさらりと弾くところから始まり、以降、Johnny, Louis & Charの名で出した3作『FREE SPIRIT』『tricycle』『OiRA』からそれぞれ3~4曲ずつ。順番は忘れたが、この3作から「YOU KEEP SNOWIN'」「OPEN YOUR EYES」「籠の鳥」「風に吹かれてみませんか」「CLOUDY SKY」「SONG IN MY HEART」「WASTED」「FINGER」「HEAD SONG」「YOU'RE LIKE A DOLL BABY」「NATURAL VIBRATION」を演奏。4~5曲目だったかの「OPEN YOUR EYES」で金子マリが加わり、本編後半はまたトリオになった。

またマリさんのソロアルバムから「DON'T CRY MY BABY」も演奏してマリさんをフィーチャー。アンコールではCharのソロ『MOON CHILD』から「APPLE JUICE」と「からまわり」もやった。

「籠の鳥」を聴けば、どうしたってあの時期いろいろあったCharを思い出してしまう。「風に吹かれてみませんか」を聴けば、どうしたってあの頃の自分を思い出してしまう(出世街道なんざ、はなから歩く気も力もなかったし、たまにゃ河原や浜辺でひとりで寝転んで風に吹かれて慌てず好きに生きていきたい……みたいな考えが若い頃に明確になったのはこの曲を聴いて、っていうところもあったかもしれんなとか思ったり)。そういえば「誰もあんなを殺しゃしないから~」というところで、Charは「最近はわかんないけどな」と言ったりもしてたっけ。

「CLOUDY SKY」はジョニーがヴォーカルをとる曲だったが、ジョニーがいないのでCharが歌った。それが沁みた。「SONG IN MY HEART」は今聴いてもやっぱり大名曲だなと思った。「WASTED」「FINGER」「HEAD SONG」「YOU'RE LIKE A DOLL BABY」といった曲が演奏されればどうしたって血が躍る。因みに「FINGER」のリファレンス元は言うまでもなくジミヘンの「パープルヘイズ」だが、その「パープルヘイズ」もアンコールの「からまわり」の途中に入れ込んでいた。アンコールで「APPLE JUICE」「からまわり」と続け、最後の最後に「NATURAL VIBRATION」を演奏した際には、キター!っと思った。というわけで、聴きたかった曲はほぼ全部やってくれた。

あと本編の終盤、即興みたいな感じでCharがブルースっぽい曲にのせて渋谷公会堂の思い出なんかを歌いこんでいたのが面白かった。渋公といえば「紅白歌のベスト10」に何度か出てたとか、そのときの司会は堺正章と「奥様は18歳」のアイドル(岡崎友紀のことですね)で、自分はファンだったとか、地方ではキャンディーズとよく一緒になったとか。

全ての演奏が終わって、はける前、CharはつけていたJ.L&Cの腕章を指して「たまには思い出してやってください」とぼそっと言った。それはたぶん、ジョニーのことであり、マーちゃんのことであり、J.L&Cのことであり、もしかしたらJ.L&Cの曲のことでもあったかもしれない。

こういうライブを観ると心の底から思う。ああ、生きててよかったと。音楽を、ロックを、好きでいてよかったと。

今夜はPINK CLOUD session。これまた楽しみだ。





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