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GOOD BYE APRIL@新宿LOFT

2024年1月8日(日)

新宿LOFTで、GOOD BYE APRIL
「What a Harmony EXTRA FINAL」。

全体の音響バランスが良好とは言えず、とりわけヴォーカルとギターの出力が弱めで、いつものバンドの音、いつものLOFTの音に比べて迫力が不足しているように感じられたのは少し残念だったが、演奏そのものは良かったし、曲の繋ぎ方に新たな面が見られたし、セットリストの練られ方には「さすが」と思わされるところがあった。

メジャーデビュー曲「BRAND NEW MEMORY」で幕を開け、最近のライブでは終盤の一番の盛り上がり曲として存在感を発揮していた「missing summer」が開始早々の2曲目に演奏されたのは驚きだった。「大好き」をライブで聴くのは久々だった故に新鮮に感じられたし、杉山清貴&オメガトライブの「SUMMER SUSPICION」は自分たちのオリジナルのように流れに馴染んでいた。

本編ラストの「サイレンスで踊りたい」は、曲に入る前にダブ的な音響効果を遊びで入れながらセッションぽく演奏していたのが面白かったし、そこからのディスコ展開はこの夜一番の盛り上がりとなった。この曲をメジャー2発目のシングルにしたのは大正解だったよなとも改めて思えるくらいのライブ映え。この10倍のキャパの会場でこの曲に合わせてみんながノッている光景をいつか見てみたい。

サポートではなくゲストとして演奏に加わったはらかなこさんのピアノと倉品くんの歌だけによるアンコール曲「空の数だけ」はこの夜一番胸に響いた。倉品くんの心のこもったヴォーカルがはらさんの寄り添うピアノによって際立って伝わってきた。またアップめの曲においての、はらかなこさんの鍵盤音は、清野くんとは個性の異なるシャキッとした感覚(凛とした感覚とも言えるか)があった。彼女の早弾きがフィーチャーされる曲なんてのも聴いてみたかった。

LOFTというホーム的な会場だったこともあってか、えんちゃんはどこまでもリラックスしたトークで笑わせ、たかしくんも絶妙なつっこみ芸を見せていた。つのけんはというと、「君は僕のマゼンタ」のラララのシンガロング部分で「もっと大きな声を聴かせて~」とおもいっきり盛り上げていたのがよかった。彼のあの声、あの煽りで、明らかに会場の温度が上がって空気が変わった。LOFTのようなライブハウスではああいったおもいきった煽りが非常にいいほうに作用する。実にいい働きをしたと思う。

総じて4人は、ワンマンだからといって気合いバリバリで特別なことをしようとするのではなく、肩の力を抜きながらも気持ちのこもった演奏と歌を聴かせていたし、何より楽しんで演奏していた。初めてLOFTのステージに立った頃はフロアが海原のように見えて酷く緊張していたと話していたが、そこからの年月分だけの成長があった。それになんたって、今はとっておきの曲、ライブ映えする曲が、あんなにたくさんある。いま録音していると言っていた曲がどんなものになるのかも楽しみだ。


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