ミシェル・ンデゲオチェロ@ビルボードライブ東京
2019年4月17日(水)
ビルボードライブ東京で、ミシェル・ンデゲオチェロ(1stショー)。
同種のものがなかなかない、ほかであまり観たこと(感じたこと)のないタイプのライブ。ではあるが、これぞまさしくミシェルの現在の表現と言えるもので、彼女の音楽をちゃんと聴いてきた人であれば感心しつつも“らしい”プログレスだと思えただろう。基本的には最新作『Ventriloquism』のあれをライブでやるとこうなる、というものだが、その”こうなる”の中にはやはり体感としての驚きがいっぱいあった。
ときにカサンドラ・ウィルソン的とも言えるハスキーで寒色で温度が低いようでいて深みのあるヴォーカル表現(以前の歌い方とはかなり変わったような)の個性と魅力をたっぷり味わわせるあり方で、バンド音もそれを際立たせるべくして鳴らされている。だから音要素は削ぎ落されているんだけど、削ぎ落された音と音の重なりから奥行きとか厚みとかが感じられ、それによってミシェルの内側からの歌が独特の響き方でこちらに届く、みたいな。ミシェルがベース弾かずに歌った曲もありました。
そのように目的意識の明確なバンドアンサンブルにミシェルがいま何をどのように表現したいのかが全部表れていた。わけても(ここ数年一緒の)ドラマー、エイブ・ラウンズ。ミシェルの現在の歌表現に彼以上の適任者はいないって思えるような叩きをする人で、ちょっとびっくりするくらい上手いし(歌ゴコロみたいなもんもわかってそうだし)、ミシェルもよくこんなに自分に合うドラマーを見つけるもんだなぁと思ったり。
いやまあそれにしてもお客さんの静かなこと。中盤過ぎくらいまでは、静まり返ってた、と言ってもいいくらい。もちろんそれだけ聴き入ってたってことなんだろうけど、さすがにあんなにシーンとしてるとミュージシャンもやり辛さ感じたりはしないのかしら(さすがにTLC「ウォーターフォールズ」はよく知られてるからか少し声があがってたけど)。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?