シャバカ・アンド・ジ・アンセスターズ@ビルボードライブ東京
2023年11月7日(火)
ビルボードライブ東京で、シャバカ・アンド・ジ・アンセスターズ(1stショー)。
シャバカと言えばコメット・イズ・カミングを初めてフジのレッドマーキーで観たときもWWWの単独を観たときも「これはひとつの体験なのだ」といった驚きの感覚があったが、それとはまた違う意味でジ・アンセスターズのライブも実に得難い体験だった。
シャバカのテナーサックスの音色はコメット・イズ・カミングでひたすらぶっとい音を鳴らすのとは違って、もう少しデリケート。基本は柔で、ときどき剛といったふう。話すように吹く、とも言える感じ。またバンドメンバー全員の演奏が超ハイレベルで、アルトサックスとヴォーカルとシャバカのテナーとが溶けあう感覚も美しく、ヴォーカルの人のポエトリーもスピリチュアルに感じられた。ベースもパーカッションも凄腕だったが、わけても常人の域を超えた芸術的なドラムに(自分の席がそっち側だったこともあり)かなり見入ってしまった。彼の名はトゥミ・モゴロシ。アフロジャズ・コンボのグループ・セオリーを率いる南アフリカ新世代ジャズのキーパーソン……であることを僕はライブのあとで知ったのだが。そのドラムとパーカッションのポリリズムにかなり高揚させられた。
南ア的な果てのないリズムと、スピリチュアルな吹奏。息の合いまくったアンサンブル。このバンドは未来を感じさせるから、長く活動し続けてほしい……とか思いながら観ていたら、なんとこの日本公演がバンドにとってのラストギグで、ななななんとシャバカはこの日本公演をもってサックスをやめるんだそうな。聞き間違えじゃなければ、これからはフルート(いや尺八だったか)に専念すると言ってた気がする。尺八を吹く場面もあったし、気持ちはそっちなのだろう。とにかく吃驚。でも最後に観ることできてよかった。
ナマで聴くこの曲、いやもうしびれました。
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