「夏の魔物」@東武動物公園

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2019年9月29日(日)

東武動物公園で「夏の魔物」。初っ端からザ・たこさんだし、運営のツイートに「8時半からリストバンド交換。最初の演目からご覧頂きたい方は8時30分にご来場を」と書いてあったので、入場に手間取ってザ・たこさん観れなかったりしたら泣くなと思い、早朝6時すぎに家を出発。前日は大阪までSuperfly観に行って遅くに帰って来たのだが、楽しいことのためならわりとシャキッと起きられるもんですね。

初めて行く東武動物公園。駅から10分程度なんもない道を歩き、会場に着いたのは8時15分くらいだったか。と、たこさん好きのいつもの方々が既にそこに。持ち時間25分程度のザ・たこさんのステージを観たいがために朝っぱらから2時間以上かけてこうして集まるこの愛の力を何かに役立てることはできまいか。

まずチケットをリストバンドに交換。このリストバンド、ただの色紙だった。ドリンクチケットもただ紙を四角に切っただけのものだった。誰かがツイートしてたが、前日は開場前にリストバンド交換しようと思ったら「いま(リストバンドを)作っている最中なのでしばらくお待ちくださいと言われた」…ってな状態だったそうで、このあたり、夏の魔物は運営が素人的でぐだぐだだと言われる所以のひとつでもあるが、それはフジロックなど長年の積み重ねがあってスポンサーもしっかりついてる大型フェスと比べてしまうからそう思うのであって、規模の大きな文化祭のようなものだと思えば、それはそれでけっこう楽しい(?)。

9時半に開場して、ザ・たこさんのスタートが9時45分。ステージまでの案内はどこにもなく、「たぶんあっち」という勘頼りで、たこ好きのみんなと早歩きで園内をずんずか歩いてステージへ。で、時間通りにザ・たこさん、スタート。こうして「夏の魔物」(二日目)が始まった。

この日、ちゃんと観たのは、ザ・たこさん、ザ50回転ズ、betcover!!、ROLLY×モーモールルギャバン、町田康(a.k.a.町田町蔵)、友川カズキ、戸川純。食べたり飲んだり動いたりぼーっとしたりしながら数曲だけ観たのは、GOMA meets U-zhaan、SA、あいあい、ゆるめるモ!×JOJO広重、ニューロティカ、人間椅子、ザ・リーサルウェポンズ、堕落モーションFOLK2、CRYAMYなど。人間椅子の呼び込みで登場した村西とおる監督から「お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません」というあの言葉が聞けたのもなんだか得した感じでナイスでした。

初っ端のザ・たこさん。25分1曲勝負。出だしのいつものアレをのぞけば、マントショー含めての「女風呂」のみ。3分~5分程度の曲なら短い持ち時間でも4~5曲できるだろうに、そうしない。それ即ちファンクの美学。そりゃあ、あっちゅうまではあったけど、安藤さんの客席乱入もいい効果を発揮し、そこに集まったひとたちに間違いなく強い印象を与えてたと思う。という意味で、よかった。朝風呂浴びて、カラダが起きた。

ずいぶん久しぶりに観たザ50回転ズ。MCで「ロックじゃないひとの出てるロックフェスはたくさんあります。でもここにはロックじゃないひとはひとりも出てません。それだけは約束できます」と言ったあと、「ただ、このフェス……、押します!   タイムテーブルはあってないようなものだから時間を気にせず楽しんでください」。やはりアーティストからしてもそういう認識のフェスなんですね(笑)

betcover!!。キャリアの長いパンク~ロックンロールバンドが多数出演するこの日のなかで、まだ20歳の彼にとってはかなりアウェイ感があったことと思うが、トリオ編成で演奏した彼に物怖じした様子はこれっぽっちもなかった。ニトロデイの岩方ロクローは上半身裸になってドラムを叩き、ヤナセくんは時折叫び、白目をむいてシューゲイザー的なギターをかき鳴らしていた。響いたひとにはめちゃめちゃ響いたはずだ。

ROLLY×モーモールルギャバン。ある日のイベントでROLLYがモーモールルギャバンのライブを観て、以来、惚れ込んでしまったそうな。ROLLY曰く、「日本のレッドツェッペリン」。そんな両者は互いに触発されまくっているようで、確かに最良の化学反応がそこに。ROLLYさん、合間合間に何度も「パンティ!」と声を出しとりました。鍵盤のユッカさんがずっとめちゃめちゃ嬉しそうないい笑顔で演奏してたのもまた印象的だった。

町田康(a.k.a.町田町蔵)。この日観たなかで自分的に一番興奮したのが、町蔵(←あえてこう書く)がINUの曲だけを歌うというもの。演奏されたのは全6曲で、日本のパンク史に残る『メシ喰うな』から、フェイドアウト→つるつるの壺→メシ喰うな!→インロウタキン→おっさんとおばはん→気い狂て。この6曲。当時まさに擦り切れるほどあのレコードを聴きまくった自分であるゆえ、もう何年も聴き返してはいなかったけど、全曲歌えちゃったよね。若い頃に衝撃受けた歌詞ってやっぱ頭に残ってるもんですねー。アレンジも特にいまっぽく更新したるりするわけじゃなく、基本的に盤のあれを再現する形。町田の声質も歌い方もほぼほぼ変わってないし、爆弾ジョニーのギターのキョウスケの躍動する弾きっぷり始め、バンドもよかった。それにしてもどうしていまになって町田はINUを歌う気持ちになったのか。年齢を重ね、特別な拘りがいい意味でなくなったということなのか。わからないが、とにかく2019年にINUの曲をライブで聴けるとは思ってなかったし、その楽曲群の強度は失われてはいなかった。

友川カズキ。「野外フェスには出ないようにしてたんですけど、なぜか今回は…」と言いながら弾き語り。その最中、別のステージの爆音がずっと聴こえていて、友川さん、「いま考えているのは、あっちのステージを爆破したいということで」とも。また、遠藤ミチロウと出会った頃のエピソードを話し、「ミチロウさんが私の“ワルツ“をカバーしてくれて。ミチロウさんの歌のほうが私のよりもいいので、もう私は“ワルツ“を歌わなくていいかなと思っていたんですけど、ミチロウさんが亡くなってしまったので私が歌います」と言ってその曲も。えぐられた。

戸川純。ものすごいひとが集まっていた。車椅子に座りながら歌う彼女のライブ中、僕の横にいた女性はずっと泣いていた。そういうひとが前のほうには何人かいた。当時を知らないひとが観たらなかなか理解しがたいだろうとは思うが、やはりなんらかのカリスマ性のようなものがいまもあるのだ。ヤマジカズヒデやライオンメリーらのバンド演奏の安定感と不安定な歌の合わさりは、独特だが惹きつけられずにはいられないもの。後半で彼女がふいに立ち上がって歌ったとき、なんとも言えない気持ちになった。そのときの向こう側の空がきれいで、たぶんしばらく記憶に残りそうな時間となった。

昭和の匂いがまだ残る東武動物公園。いつかまた訪れることはあるのかないのか……。それにしても8月のように暑い1日だった。日焼けもした。これで本当に夏は終わり……でしょうね、さすがに。

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