ヴィンテージ・トラブル@渋谷O-EAST

2019年4月15日(月)

渋谷O-EASTで、“オレたちのバンド”=ヴィンテージ・トラブル。

月曜日でありながら会場はほぼ満杯。彼らの実力ならこのくらいの会場はすぐにいっぱいになって当然でしょ?と思われる方もいるやもしれないが、メディアに取り上げられることの多くない彼ら(それはいろんな要因が考えられるが、書きだすとイマドキのメディア批判的な話になって長くなるのでそれはまた今度)は本当に一回一回のライブだけで観た人を魅了して着実にファンを増やしてきたわけで、だから平日のO-EASTがいっぱいになったというのは確かな成果が感じられることであり、ずっと観てきた僕にはそれなりの感慨があったし、同じようにずっと観てきたトラブルメーカーたちみんなが近い気持ちを抱いていたんじゃないだろうか。実際そこに集まってた観客は、評判を聞いて観に来た…という人よりも明らかに過去にどこかでライブを観て彼らに惚れ込んでる人が多かったようだったし(それはライブ中の反応を見ればわかることだ)。

で、彼らはそういう熱心なファンたち、ずっと自分たちを観てきてくれた人たちに対して本当に誠実で、その気持ちにがっつり応えるライブを必ずする。これだけ頻繁に来てくれて、こっちもその度に観に行ってるわけだから、今回よりあのときのほうがよかったなと思うことがあったって別におかしくないわけだけど、ないのだ、そんなことは。毎回思うのだ、今回が一番よかったんじゃないかって。それって凄いことだと思うんだよな、本当に。

曲が増えた分だけ膨らみがあって、より立体的なライブになっていた。セットリストもよく練られたもので、以前のように初っ端からぶっとばすんじゃなくて、ミディアムスロー曲で始めて、エンジンかけてとばして、横揺れの曲を挿んだりもして、じっくりスローを聴かせて、タイが2階まで行って熱狂の渦に巻き込んで、また落ち着かせて…みたいな感じで緩急自在。『CHAPTERⅡ-EP1』や今度出る新作『CHAPTERⅡ-EP2』の曲はやはり以前の曲とはトーンというかノリが違う、ってことはライブで聴いても明らかなんだが、そのうちのいくつかを真ん中にまとめるなど旧曲とは切り離した聴かせ方をして、ショー全体の中でどう際立たせるかをよく考ていたようにも感じた。で、結果としてそういった『CHAPTERⅡ』の楽曲群もこれもまたVTらしさってことなんだよなと納得させられたり。つくづくライブ巧者であることよ。

あと、終わってメンバー揃ってお辞儀して、で、観客たちをバックに写真を撮ってもいたんだけど、その素早さにも感心。そういうことに余計な時間をかけない。一瞬でパッと終わらせる。あれはカメラマン(永田大さん)との信頼関係あってこその早さでもあるんだな。最近はいいショーをしたあとにタラタラ長い時間かけて観客バックの記念写真撮ったりする日本の若いバンドがすごく多くて、あの間にせっかくのライブの熱がすーっと冷めてしまったりするので僕はあれが始まったらすぐ出口に向かうことにしてるんだが。そういうところにも違いが出てて、改めてVTのライブ巧者っぷり、プロフェッショナルっぷりを感じたのだった。

いやもうまったく最高です。何度観ても。観れば観るほど。名古屋・大阪にも行きたかったくらい。ホントニドーモアリガトゴザイマシタっ(←タイふうに)。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?