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亜無亜危異/THE ROCK BAND @代官山UNIT

2022年12月18日(日)

代官山UNITで「代官山歳末ビッグバン 亜無亜危異 THE ROCK BAND」。

2022年は大変なことが多かった亜無亜危異。今年初めにドラムのコバンが心筋梗塞で救急搬送され、しばらく療養。その時期のツアーは複数のサポートドラマーを迎えて続行された。コバンが無事に復帰すると、今度は9月末に茂が心筋梗塞で運ばれて緊急手術を受けた。ふたりとも元気になって本当によかったが、しかしつい先日、永きに渡って亜無亜危異のローディーを務めていた福永巧さんが突然亡くなられた。泉谷しげるや亜無亜危異のライブ中、コードが絡んだりするとサっと現れ元に戻す、その機敏なさばきっぷりを見ていていつもすごいな、プロだなと思っていたし、この人がいるから泉谷や茂は安心して暴れられるんだな、深く信頼されてるんだなと思っていた。

福永巧さんは「もっとTHE ROCK BANDやろうよ」と言っていたそうだ。MCなどで特に触れられることはなかったが、昨日の4人は間違いなく福永さんへの思いを胸にステージに立っていたはずだ。ライブ前と1部と2部の間にはスプリングスティーンの一番よかった頃の曲がずっと流れていた。福永さんが好きだったのだろうか。わからないけど、きっとそうなんじゃないかな。

先攻は亜無亜危異。福永さんのこともあってか、いつにも増してものすごい気迫だった。演奏もヴォーカルも強度がハンパなかった。セトリは再始動後(『パンクロックの奴隷』以降)の曲がかなり多め。いつもの亜無亜危異だが、いつもとは違う亜無亜危異といった感じだった。

後攻はTHE ROCK BAND。2019年11月の「藤祭2019 還暦」で一夜限り復活したあと、今年2月、下北沢シャングリラの「プランクス・イズ・ノット・デッドvol.2」でもTHE ROCK BANDとして演奏されたが、その時はコバンが療養中で池畑がドラムを。よってこの4人のTHE ROCK BANDは3年ぶりとなる。

茂と伸一と寺岡はナッパ服から着替えてジャケットを着用。コバンはタンクトップで髪をほどいていた。同じメンバーだが、亜無亜危異と違って、こっちはうねりとねばりのあるブルーズロック。演奏の3人……わけても伸一の弾き方が大きく変わり、のっけからとてつもない強度を持ったグルーヴが押し寄せる。それはもう、これほどのグルーヴを生み出せるバンドが日本にほかにあるか? というほど。凄すぎる。とりわけやっぱり「四月の海賊たち」の強度がやばくて、震えた。いつかTHE ROCK BANDの長尺ライブなんていうのも観てみたいものだ。彼らのいろんな思いが乗ったこの夜のライブ。最高の上を行く最高さだった。

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