「TOKYO NEW SOURCE vol.2」@青山CAY

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2019年11月23日(土)

青山CAYで、「TOKYO NEW SOURCE vol.2」。

6月に行なわれたvol.1は「“言葉”と“リズム”と“サウンド”の融合」がテーマということでポエトリーリーディングとラップのアーティストが集まったが、vol.2となる今回のテーマは「女性解放運動」ということで、DJもライブも女性ばかり。

出演は、DJでLicaxxx、CHIEKO BEAUTY(DJ&VO)、Naz Chris、7e。ライブでxiangyu、Bim Bam Boom(ゲストでs-kenとTiger)、ZOMBIE-CHANG(エレクトロセット)、サヨコ with YA MAN RIDDIM UNION(ゲストでいとうせいこう)。

ライブはまず若手のxiangyuから。初めて観たが、キュートで、開けてて、華があって(←これ、肝心!)、よかった。日常のちょっとしたことを面白く歌にする(ゴミ捨てとGo mistakeをかけたり)のとか、その気張ってない感じがまさにニュージェネレーション的。映像の使い方含めて、ちょっとコムアイからの影響もあるのかな。とにかく明るくって何に対しても物怖じしなさそう。

ライブの2番手はBim Bam Boom。サックスがMisaking Arrowに代わってから自分が観るのはこれが2度目だったが、加入仕立てだったときのライブに比べ、彼女が完全にバンドに溶け込んでノビノビ吹いていて、その分だけバンドの爆発力が凄まじいものになったという印象。凄かった。途中、バンドのプロデューサーでもあるs-kenと、女性シンガーのTigerがゲスト参加。s-kenの曲「ジャックナイフより尖ってる」もやったのだが、Bim Bam Boomの音(アレンジ)で聴くこの曲もホットボンボンズのそれとはまた違うよさがあった。s-kenの歌も声に艶があってバッチリ。Tigerのコーラスも迫力あり。

ライブの3番手はZOMBIE-CHANG。バンドではなくひとりでシンセやらを操作して歌うエレクトロセット。ジャンクでポップ。けっこうバキバキのトラックと浮遊感あり(でもパンチもきいてる)の歌の調和もいい感じ。SOY SOURCE世代(50代以上)には普段馴染みのなさそうな種類だが、クールにいくだけじゃなくラストの曲ではコール&レスポンスやったりと彼女なりのサービス精神も見せていて、最後は会場の温度もあがってた。

ZOMBIE-CHANGのあと、フロアではCHIEKO BEAUTYがDJと共にシンギン。その際、s-kenさんと、遊びに来ていたこだま和文さんが楽しそうにカラダを揺らしてたりも。80年代に「TOKYO SOY SOURCE」を観ていた自分のような世代からするとなかなか微笑ましくもグッとくる光景だった。

そしてトリは、CHIEKO BEAUTYからの流れもスムーズなレゲエバンド、サヨコ with YA MAN RIDDIM UNION。ヴォーカルは元ZELDAのサヨコで、サヨコオトナラの奈良大介や、HAKASE-SUN、ダブステーションのメンバーらで構成されたバンドだ。自分がサヨコさんをライブで観るのは一体何年振りになるのか。わからないが、声の発し方などは昔とさほど変わっておらず、いままたこうしてステージに立っているというそのことが嬉しかった。サヨコオトナラの曲や、いとうせいこう作詞の「ポルカ」も歌い、そのせいこうさんがステージにあがって歌に合わせポエトリーリーディングも。最後は再びいとうせいこうさん、それからs-kenさん、さらにZOMBIE-CHANGとxiangyuもステージにあがって賑やかに。

80年代(半ば~後半)と2019年とが時空を超えていきなり繋がったみたいな感覚があり、何やら感慨深かったし、長生きはするもんだなと思ったのだった。

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この回のテーマは「女性解放運動」だったが、女性ミュージシャンたちは、少なくともステージの上では、はなから「解放」されていて、「開放」的な表現をいきいきのびのびしている。普段から自分はそう思っていて、だから女性の表現者をおいかけるのが昔から好きなのだが、この夜もまたそのことを実感できた。xiangyuもZOMBIE-CHANGもいきいきのびのび楽しそうに表現してたし、Bim Bam Boomの表現は強さとしなやかさを有していたし、サヨコさんの表現は昔よりおおらかだった。

さてvol.3はどんなテーマで、どんなメンツになるのか。楽しみだし、長く続いてほしい価値あるイベント(続くほどに価値が伝わるイベント)だと、そう思う。

「TOKYO NEW SOURCE vol.1」の感想はこちら。↓


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