グリーンルームフェスティバル、Day1@横浜赤レンガ倉庫特設会場

2019年5月25日(土)

横浜赤レンガ倉庫特設会場で、グリーンルームフェスティバル(Day1)。

とにかく暑い。まだ5月だというのに真夏の天気。過去のグリーンルームでこれほど暑い日があっただろうか。自分が行ってる限りでは、ない。まるでサマソニだ。入場時に並んでる段階でもう、熱中症で倒れて担架で運ばれる女性を見た。

そして、人が多い。多すぎる。ここ数年、このフェスの人の多さと、それに対する運営側の対処のなさ(特に動線)に辟易してブログに文句を書いたりもしてきたが、今年は例年以上。ギリギリまで詰め込んだ感じで、落ち着いて座っていられる場所などどこにもない。またチケットがなくても観れるフリーのレッドブリックステージでのライブだけ観に来てる人もたくさんいるようで、外の混雑っぷりも酷い。

お弁当など持っていってノンビリ座って食べたりしながら音楽を聴けた昔のグリーンルームと今のこれはもう別物だ。昔はいい意味でのユルさ、快適さがよかったが、今のこのフェスに快適さなどない。芝生に寝転んで聴いてたり、ヨガのスペースがあって参加しちゃったりなんかもしてたあの頃が懐かしい……(遠い目)。

じゃあなんで観に行くのかと言えば、それはやっぱり出演者がいいからだ。今年は初日にリオン・ブリッジズ、2日目にコリーヌ・ベイリー・レイと、自分の大好きな歌手が決まり、邦楽勢も好きな人や気になってた人ばかり。単独よりフェスでいいライブを見せる人も多いので、やはり観に行かないわけにはいかないのだ。

実際、炎天と人の多さにはまいったし疲れたけれど、やっぱり来てよかったと思えるいいライブばかりだった。観たのは以下の通り。

King Gnu(後半15分くらい)→向井太一(3曲ほど)→中村佳穂バンド→Caravan→クレイジーケンバンド→The BONEZ→フィッシュボーン→リオン・ブリッジズ。

まず、ようやく初めて観ることのできた中村佳穂バンドが凄かった。サウンドチェック段階で、ラップで言うところのフリースタイル風に即興で歌で自己紹介したり、こんなにたくさん集まってくれて嬉しい~みたいなことを歌にしたり。あっという間に心をつかまれた。サウンドチェックなのに。そして本番でも、明日は私の誕生日で~みたいなことを歌って始めたり。つまりこの人はMCも全部音楽にしてしまうのだ。無音で喋ったりはせず、喋る言葉をその場で音楽にしてしまう。しかも声の通りが実にいい。大勢の人、後ろのほうの人にまで確実に届く歌声だ。まさしく全身音楽。

またヒューマンビートボックス役のメンバー(京都でひとりでそれやってるのを見て友達になってくださいと言って友達になったと言ってたな。それもすごい)含めてバンドも彼女の自由奔放な即興に柔軟に対応。バンドとしてのカタマリ感が強く感じられた。それに何より彼女、いまこのバンドと一緒にこの場所で歌ってることが楽しくて嬉しくてしょうがないといった感じで(ここに住みたいとまで言ってたもん)、その様子は観る人みんなにダイレクトに伝わるもので、あそこにいたみんなが幸せな気持ちになったはず。というわけで、けっこう衝撃的な初・中村佳穂体験であった。もちろん去年のアルバムも傑作だったが、ライブはその10倍いい!    

Caravanは(もともとの)このフェスのコンセプトに最も合ってるアーティストのひとり。今回はドラムの椎野恭一とパーカッションのU-zhaanとのトリオ編成。CaravanとU-zhaanの組み合わせは初めて観たが、実に合っていた。今回はハミングバードではなく大きなブルースカイのステージだったが、アコースティックでもいい具合に観客たちはカラダを揺らし、観ていた多くの人が「やっぱりCaravanの歌はいいなぁ」と思ったはず。自分もとっても思いました。あと、「タコライスを買おうと思って並んでいたら、なんかの雑誌の人から、街角ファッションチェックなんですけど今日のお目当てのアーティストは誰ですか?」と話しかけられたというU-zhaanの話に笑った。

クレイジーケンバンドを観たのはかなり久々。地元・横浜だけあって嬉しそうなケンさん。自分の近くで観てた年配の方々はこのバンドだけを観に来てた大ファンのようで、ほとんどの曲を一緒に歌えてた。紅一点のありささん、お美しくて、歌声もキレイで、いーーね!!    あと、今度発売になるという新作からの初披露曲「ゲット」が、ファンキーなブギーで耳に残った。最近のアルバムを聴いてないくせにこう言うのもなんだが、新作が楽しみ。

The BONEZ。前回は会場内の大きなステージだったが、今回は外のフリーのレッドブリックステージ。なんでだろうと思っていたんだが、JESSEによれば自らこの誰でも観れるステージでやりたいと頼み込んだのだそうだ。つまりチケットが高くて買えないキッズたちを巻き込んだライブにしたかったという思い。それが叶って、暴れたい盛りの若い子たちがグルグル回ったりモッシュしまくったりで熱狂のライブとなった。姿勢、ぶれないね、JESSE。かっこいい。ギターのナカくんも相変わらずかっこいい。

フィッシュボーンは豪雨のフジロック・ホワイトステージが記憶に新しいが、いつどんな場所であっても全力であることの美しさ。アンジェロももうけっこういい歳なはずだけど、相変わらずタフやねえ。この頃は昼間の暑さがやわらいで、潮風も気持ちよく、存分に踊ることができて楽しかった。いつまでも続いてほしいバンドですね。

で、トリはこの日の自分の目当て、リオン・ブリッジズ。前日のリキッドルームの単独公演より約30分短かったが、その分いいところがギュっと凝縮されていた。広々としたステージを彼は活き活きと動いてたし、おまけに花火もあがって、こっちのほうがエンターテイメント性を強く感じたな。デビュー当時の彼はサム・クックの再来とか言われたりしたけど、ブルーズやロックやポップの要素も入ったライブはストーンズとかプリンスを好きな人(←僕のような)もグッとくるもの。その魅力、今回の出演で多くの人に知ってもらえたはずなので僕は嬉しい。明日、単独公演と合わせてのライブレポート書きます。

ってな1日目。で、いまからまた横浜へゴー。今日も暑そうだな。ふー。

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