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『真夏の夜のジャズ』

2020年8月27日(木)

恵比寿ガーデンシネマで、『真夏の夜のジャズ』。

大昔、深夜にテレビでやってたのをビデオ録画して何度か見返してた『真夏の夜のジャズ』(それは相当カットされたものだったが)。それを今日(8/27)初めて劇場で全編観ることができて、しかも4Kでの復刻版ということあって引き込まれまくり。映像、鮮やかだけど味わいあり。この夏を生きたかった、と思ったり。

モンク、アニタ・オデイ、サッチモらレジェンド的なミュージシャンたちの演奏や歌の素晴らしさはもちろんだけど、観客たちの洗練されたファッションも見る価値大あり。男性も女性も若者もお年寄りもみんなほんとにお洒落。特に女性たちがかっこいいサングラスしててね。それにニューポートの街並み、陽光に輝く海の水面、遊んでる子供たち…。全てが美しくてずっと浸っていたくなった。

音楽と景色の重なり方・溶け合い方が実に自然にして見事で、バート・スターンは景色を見ながら音を感じ、それをフィルムに定着させたかったんだなと。「ブルー・モンク」とヨットとか最高ですよね。

パフォーマンスでは特にサッチモとマヘリア・ジャクソンにしびれたな。サッチモは喋りもすごく面白い。あの特徴的な歌声はよく知られていても、ああいう人だったってことは意外と知られていないんじゃないか。またチコ・ハミルトンの音楽が現代ジャズにも繋がっていることにハッとしたりとか、そういう今だからこその発見もあったり。あと、チャック・ベリーの若々しい躍動っぷりもよいね。スイスのモントルー・ジャズ・フェスなんかもけっこう昔っからジャンル関係なく、ロック系のひとの出演があったりしたもんだけど、ニューポート・ジャズ・フェスはそういうのの走りでもあったのかも。

この「真夏の夜のジャズ」は1958年のニューポート・ジャズ・フェスのフィルム化だけど、僕が夏の野外フェスに求める多くの要素が既にここにある! ってことも驚き。60年以上前でも、みんながそれぞれの楽しみ方(すげえのってる人もいれば、よそ見してる人も、いちゃいちゃしてる人たちもいる)をしているのがステキだった。

夏フェスなき2020年に劇場でこの作品を観れた…ということもまた妙な感慨あり。

なので、もう1~2回観に行きたい。あと日本の新しいポスター、ほしいな。


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