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GOOD BYE APRIL “swing in the dark“リリースパーティ@新代田フィーバー

2022年2月5日(土)

新代田フィーバーで、GOOD BYE APRIL “swing in the dark“リリースパーティ「CHASING THE FANTASY」。

出演はオカモトコウキ、The Songbards、GOOD BYE APRIL。

まずはオカモトコウキくん。アコギを弾いて歌うコウキくんと鍵盤のブライアン新世界さんとの二人編成。弾き語りに近いスタイルはフォーク的とも言えるがしかし、彼の甘い歌声に含まれているのがポップ成分である故、やはりポップとして響いてくる。装飾音がないだけに楽曲そのものの持ち味がダイレクトに伝わってきたのもよかった。その意味で、「LETTER」はやっぱり切なくていい曲。大好きだ。

後半ではこの日出演の2バンドのヴォーカリストとのコラボを1曲ずつ。The Songbardsの上野皓平さんとは共通のルーツバンドであるというビートルズ「ドント・レット・ミー・ダウン」を。APRILの倉品くんとは、倉品くんプロデュースによる新曲を初披露。これがよかった。コウキくんらしさを活かしつつも新境地と言えるスケール感ありのバラードで、グッときた。倉品くんとコウキくんは去年から仲良しになったそうだが、すごくいい感じでインスパイアし合ってる様子。これからもふたりのコラボがいろいろ形になるといいな、と思った。

2番手は、The Songbards。自分がこのバンドの音楽を聴くのはこれが初めて。彼らの出番前にThe La'sの「ゼア・シー・ゴーズ」が流れていたが、ルーツはきっとこのへんにあるのだろうなとわかる音楽。つまり80s・90sのUKロック味あるサウンドとグッドメロディが中心にあるバンドで、そういえば最近こういうアプローチのバンドは少ないので、一周まわっていまだからこそ新鮮にも感じられた(ロック的アプローチもたまにしていた初期GOOD BYE APRILと共振するところもある気がした)。ツイン・ギターでツイン・ヴォーカル。メインでヴォーカルをとる上野皓平さんに加えて、松原有志さんも数曲で歌う。ビートルズに習ってなのかもしれないが、そこもバンドの強みだろう。また、ソングバードと名乗るだけあってコーラスワークのキレイさも印象に残った。

そしてこの日の主役、GOOD BYE APRIL。昨年11月に渋谷WWWで行なわれたワンマンを僕は観ることができなかったので、ナマで彼らのライブを観るのはずいぶん久しぶり。すごくよかった。メンバー全員の演奏力がコロナ禍以降のこの2年で各段にアップしたことがわかり、特につのけんのドラムに変化が見られた。ロック的な感触の叩きも残しながら、前作から始まった打ち込み路線の楽曲を生ドラムでどう表現するかがよく考えられた演奏になっていた。よって作品では打ち込みで録音されたシティポップ路線の曲も、持ち味を損なうことなくバンドサウンド表現となり、洗練が前に出ていた曲にもダイナミズムが加えられていた。「FANTASY」が最たるもので、あの曲の間奏部分の高揚はライブならではだし、生ドラムならではだと思った。倉品くんのヴォーカルも以前より強く前に出てくるようになり、説得力がずいぶん増した。最高のアルバムを作ったことの自信が、歌とバンドアンサンブルのよさにそのまま結びついてたという印象だ。コロナ禍以降のこの2年、配信ライブはちょいちょい見ていたが、やはりナマで観ないと実感できないことってあるものだな。

とにかくあらゆる面でいまの彼らが最高の状態にあることがよくわかるライブだった。リリパということもあり大半が新作『swing in the dark』からの曲。前作『Xanadu』からも確か2曲やったが、それ以前の旧曲はひとつもなかった。でありながら、ノリのいい曲から沁みるバラードまでメリハリと物語性のある構成。アルバムでは打ち込み曲の影に隠れた印象がなくもなかった「tapestry」はライブでこそ活きる曲(楽曲本来の持ち味が最大限に発揮される曲)だなと感じたし、「FANTASY」は高揚感があったし、本編最後のバラード「空の数だけ」は心に沁み入った。

前作『Xanadu』からサウンドのアプローチを変えて生まれ変わった印象のあるAPRILだが、録音表現だけが先に走るのではなく、ライブ表現もそれに対応して変化している。そのことを実感できてよかった。あ、それと、えんちゃんのオモシロMCタイムも変わらずあってよかったな。えんちゃんが楽しそうにしてると、なんだか観てるこっちも楽しい気持ちになるからね。

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