マット・ビアンコ@ブルーノート東京

2019年5月21日(火)

ブルーノート東京で、マット・ビアンコ(1stショー)。

真ん中・正面の席がまだあいていてプラス1000円でそちらも可…とのことだったので、そこで観る。やはりステージ近くの真ん中だと音もいいですね。

2017年の公演は観てないので、フィッシャーが亡くなりライリーのソロ・ユニットになった状態を観るのは今回が初めて。ズバリ、ジャズにフォーカスしてメンバーを集め、再構成された現在のマット・ビアンコは、想像を大きく上回るよさだった。まったくもって現在進行形バンド。こんなにかっこいいとはちょっと驚きでしたよ。

なんたってバンドが腕揃い。ライリーを中心に、エリザベス・トロイ(バックヴォーカル)、ロビン・アスプランド(ピアノ)、デイヴ・オ・ヒギンズ(サックス)、マーティン・ショウ(トランペット、フリューゲルホーン)、ジェフ・ガスコイン(ベース)、セバスティアン・デ・クロム(ドラムス)という編成で、全員がうまい。わけても2017年の最新作『グラヴィティ』の共同制作者でもあるサックスのデイヴ・オ・ヒギンズは吹奏も振る舞いもクールでこのバンドの要であることが観ていてよくわかったし、ジェイミー・カラムのサポートもしているドラムのセバスチャン・デ・クロムは後半でけっこうな長尺ソロを聴かせるなど大活躍。クリーン・バンディットのライブでも活躍してたエリザベス・トロイは華と歌唱力の両方あって、ライリーとの絡みもいい感じ。そんななかでライリーは腕をヒラヒラさせて踊りながら終始気持ちよさそうに歌ってた。うん、あんなバンドの音にのって歌うのは、そりゃあ気持ちいいでしょう。

先鋭的ではなかろうとも、これもひとつのジャズUKだよなと思える音で、例えば35年前のヒットナンバー「探偵物語(WHOSE SIDE ARE YOU ON)」なんて今までで一番かっこよく聴こえたほど。そのように最新作の曲に旧曲がなんの違和感もなく混ざるあたり、アレンジのうまさにも唸らされたり。ジョージィ・フェイム「イエー・イエー」もこのバンドで演奏されてこそのよさがありました。

いやぁ、(全面的にいい意味で)しぶといね、ライリーも。このバンド、このジャズ方向は素晴らしく合っているので、まだまだここから攻めていけそうね。『グラヴィティ』がかなりいい出来だったけど、このバンドでアルバム作ったら傑作ができちゃいそうな予感すらしましたわ。なんか僕は嬉しいよ。

公演は今夜(22日)まで。

↓こちら、アエラスタイルマガジン(web)に書いた公演紹介記事。


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