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『はるヲうるひと』

2021年6月22日(火)

吉祥寺アップリンクで『はるヲうるひと』。

SNSを見る限り、そこまで酷評されてるわけでもなく、褒めてる人もけっこういるようだが、自分はダメだった。陰鬱でじっとりと湿っていて重苦しい。早く場面変わんないかなと何度も思いながら観た。原作・脚本・監督を務めて出演もしている俳優の佐藤二朗が何をやりたかったかはまあわかる気がするのだが、70年代のATGからの影響がよくない方向で出ているようで、昭和っぽい狂気の引きずり方が自己満足的。タイトル含めいろいろ洗練されてなくて、2021年にこれを見せられるのはやはりキツイなあと。山田孝之始め、出演者たちの感情の爆発のさせ方はみな凄いんだけど、でもそれ、舞台でこそ映えたんじゃないかとも思ったし(過去に佐藤主宰の劇団が上演した舞台を映画化したものだそう)。女性同士(坂井真紀と今藤洋子)のある種の共感とか絶望の向こう側にギリギリ見つけ出せる生きていくための何かとか、終盤にいい場面もあるにはあるんですがね。そこに至るまでの筋立てがなかなかきつい。ミャンマーの彼の純粋さとおかしみが唯一救いか。


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