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『ZAPPA』

2022年6月15日(水)

新宿武蔵野館で『ZAPPA』。

ぶっとんだ変人といったイメージがあったんだが覆った。実にまっとうで知性的で純粋で求道的な音楽家。太い芯が通ってる。気骨の人。人間嫌いなのかと思ってたらそういうわけでも全然なかった。何考えてるかわからない奇才の考えてたことが少しだけわかった気になりました。

4枚組ボックスを構想して、それをワーナーに拒否られて、だったらこれでと別々に編集し直したものを差し出して、自ら契約打ち切って自主レーベル始める……といった動きはプリンスに通じるところもあり(プリンスより早かった?!)。

「ヒット曲を書くことは眼中にない」「芸術的な判断は、損益に左右されない」。かっこいい。でもそう言いながら初ヒット曲が出たときにまんざらでもなさそうな感じも人間らしいのね。あと、サタデーナイトライブでのベルーシとの絡み。馬鹿にされたと考えてしまうその純粋さも好感持てた。

というわけで、人間ザッパのちゃんとしたところが誠実に描かれた作品として意義あるものだったわけだけど。でも一方で、ザッパのぶっ飛んでる感じをもっと面白おかしく打ち出してほしかったというような気持ちもあり。あの音楽の迫力とヘンテコさはそういう人間性を知らなかったほうが無邪気に楽しめる、というところもあるもんね。無責任な感想だとわかってて書くけど、なんか全体的に真面目で誠実な作りすぎる気もしたんだよな。うーむ。難しいね、そのへん。

↑こちら、作品の「いいところ」をわかりやすく語ってくれてます。

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