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『逃げきれた夢』(感想)。

2023年6月23日(金)

新宿武武蔵野館で『逃げきれた夢』。

二ノ宮隆太郎監督の新作で、光石研が12年ぶりに単独主演を務めた映画。ある出来事をきっかけに自らの老いを自覚し、人生の節目に直面した男性(=光石)がどのような行動をとるかが描かれる。

光石演じる男と自分は同世代ということもあり、中年男特有の情けなさみたいな部分でけっこう共感することになるだろうと思って観に行ったんだが…。これがまるで共感できなかった。それどころかこの男性の言動や行動に対してイライラしたし、嫌な気分にもなった。どうしてこの男がそういう態度になるかはもちろん理由あってのことなんだが、その事情をわかっていても尚、自分はこんなことしない、してたまるかと思った。例えばある店で台湾人女性に「彼氏いるの?」みたいにこの男が聞いて絡む場面があるが、あれなどまさしく有害な男性性的で、事情をわかっていても不快になる。SNSでいろんな人の評価を見る限り概ね好評で、「弱さを曝け出すところがいい」「中年の悲哀が感じられて味わい深い」「見苦しさも愛くるしい」といった意見が散見されたが、ええっ、そうかぁ?  あんな形で弱さを曝け出すのがいいとは自分には思えなかったな。余韻を持たせたいのか必要以上に無言のシーンが長く続くことにもイライラ(それが監督の作風であるなら、自分には合わないということだ)。

北九州の街並みと方言はよかったけれど…。
僕の感想はそんな感じです。

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