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うじきつよし&リクオ、FoREVER YoUNGERS@高円寺JIROKICHI。

2023年3月5日(日)

高円寺JIROKICHIで、うじき&リクオ フォーエバー・ヤング・ツアー。

1部が誰で2部が誰といった形ではなく、初めから終わりまでうじきつよし・リクオ・寺岡信芳・小宮山純平からなる4人バンド=FoREVER YoUNGERSの熱い演奏と歌を味わえたバンド・ライブ。

このメンバー4人だからこその化学反応が強く感じられた上、JIROKICHIという歴史ある小さなハコだからこその化学反応もまた強く感じられた、それはもう熱いライブだった。

オレたち、レッチリに負けてないぐらいのグルーブが出てんじゃないか?! みたいなことをうじきさんが言っていたが、うん、負けてない負けてないと同意したくなるくらいの熱量とグルーブを確かにJIROKICHIに集まった数十人の客たちは感じていたはずだ。

始まって早々(確か2~3曲終えたくらいのタイミングだったか)、うじきさんが、このメンバーでバンドを組めたことの喜びと、最高のツアーをまわれたことの幸福感を興奮気味に語りだした。普通ならアンコールあたりで話すような内容であり、ほかのメンバーも「え?  このタイミングでもうそんなにエモくなって話すの?」といった様子だったが、その心の熱さと純粋さがうじきさんらしさなんだなと感じて、こっちも早くもグッときたし、その熱い喋りがそのあとのバンド演奏にさらなる熱を呼び込むことにもなっていた。

子供ばんどが勢いよく転がっていた80年代、正直自分は熱心に作品を聴いていなかったし、ライブを観に行くこともなかった(複数バンド出演のイベントで観たことはあったが)。もともとハードロック的な音楽が好みじゃなく、パンクロック的なものに惹かれていたので、その時期の同年代のバンドならARBやアナーキーに気持ちをもっていかれてた。陽気なロックが苦手だったのだ。しかし、今回こうして改めてうじきさんの弾くギターを聴くとなると、思ったほど手数が多いわけでもなく、前に出過ぎる感じでもなく、出るところは出て引くところは引いての塩梅のいい、なんというか歌っているようなギターだなと感じたのだった。リクオ楽曲にもよくフィットしていて、そこにいい塩梅の膨らみをもたらしていた。とりわけリクオさんの「オマージュ - ブルーハーツが聴こえる」におけるうじきさんのギターがたまらなくよくて、しびれた。

ヴォーカルもヘンにクセをつけることなく素直さのなかにエモさが含まれるものだったし、MCは先述の通りだしで、僕はここにきてうじきさんのファンになってしまった感じだ。

うじきさんと寺岡さんの絡みもよかった。ふたりとも終始笑顔で、互いの表情を見たりしながら弾いていた。観ていて思ったのはあれだ。1979年のヤマハ主催によるバンド・コンテスト「East West」全国大会。この年のグランプリに輝いたのが子供ばんどで、優秀グループを獲ったのがアナーキー。ベストギタリストを獲ったのがうじきさんで、ベストヴォーカリストを獲ったのが仲野しげるさんだった。そして子供ばんどもアナーキーも翌1980年にデビュー。音楽性は違えどもそれぞれの場所で40数年走ってきて、今、同じバンドで並んで弾いている。そう思いながらふたりの表情とプレイを観ていたら、またグッときた。

リクオさんはリクオさんで、こうしてJIROKICHIでファイナルを迎えた喜びが、お酒の度々のおかわりに表れていた。中盤から既にほろ酔いで、このバンドでの演奏の嬉しさがそのまま言葉と表情と演奏に出まくっていた。

うじきさんはやっぱりロックンロールのひとで、そうとなると、リクオさんのなかのロックンロール成分もいつにも増して表に出る。「酔いどれ賛歌」からの「踊ろじゃないか」のお祭り感が象徴的だったが、これがひととひととの相乗効果というやつで、楽しさが何倍にもなる。「サマータイムブルース」の爆発も、うじきさんヴォーカルのボ・ガンボス「夢の中」も、小宮山さんもヴォーカルで加わった「JOY TO THE WORLD」も最高だったし、ラストのリクオ曲「永遠のロックンロール」はまさしくFoREVER YoUNGERSのテーマのようにも感じられた。

笑いたいときに笑って、泣きたいときは泣いて、怒るべきときはちゃんと怒って、そうやって人生を送っていくんだと素直に思わせてくれるバンド、FoREVER YoUNGERS、。またあったら観に行こう。

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