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ホセ・ジェイムズ@ビルボードライブ東京

2020年2月14日(金)

ビルボードライブ東京で、ホセ・ジェイムズ(2ndショー)。

新作『ノー・ビギニング・ノー・エンド 2』が前の週にリリースされたばかりのホセ・ジェイムズが、今年もバレンタインデイに合わせて来日。最高のライブを見せてくれた。

今回はバンドを一新。メンバーはこの通り。

ブレット・ウィリアムス / Brett Williams (Piano)
マーカス・マカド / Marcus Machado (Guitar)
アネッサ・アルムサウィール / Aneesa Al-Musawwir (Bass)
ジャスティン・ブラウン / Justin Brown (Drums)

サンダーキャットの後ろでも叩いてて変拍子もラク~にこなすドラムのジャスティン・ブラウン、1曲ヴォーカルもとってた女性ベースのアネッサ・アルムサウィール、マーカス・ミラーと一緒にやったりもしているピアノのブレット・ウィリアムスと、それぞれ技ありの巧者だが、なんといってもギターのマーカス・マチャド(ファロア・モンチのユニット、サーティーンの一員でもある)の変幻自在なプレイが素晴らしく、ホセは自身の広い音楽性に見合う最高のギタリストを入れたなと思った。

そのフレッシュなバンドをバックに、ホセは真っ赤なスカーフを首からたらして、これまで以上にスター・オーラを放ちながらパフォーマンス。ギターを弾いて歌う場面も始めと終わりにあった。

前半は新作『ノー・ビギニング・ノー・エンド2』からの曲をアルバム収録順に沿って何曲か。ロックンロール調の「ユー・ノウ・ホワット・イット・ドゥ」やファンキーな「ターン・ミー・アップ」など、アルバムで聴いてもずいぶん開かれてるぁという印象だったが、ライブとなるとさらに開放感ありまくり。このへんでもう自分は立って踊って観たい衝動にかられていた。

ビリー・ジョエル「素顔のままで」を幸福感滲ませつつもよく通る声で聴かせたあとは、『ノー・ビギニング・ノー・エンド』(1のほう)から「ヴァンガード」を。ここで得意のヒューマンボイススクラッチをけっこう長めに披露してわかせたんだが、そのなかで2010年の2作目の曲「ブラックマジック」を挿んでそこからジョン・コルトレーン「Love Supreme」に繋ぐという技というかハイラベルな遊びを見せ、ホセを昔からちゃんと追いかけてるひとなら「おおおおっ」とならずにいられないそれに自分はとっても興奮させられた。

さらに『ノー・ビギニング・ノー・エンド』(1のほう)からホセの代表曲である「トラブル」や、美バラード「カム・トゥ・マイ・ドア」も。久々に聴けた「カム・トゥ・マイ・ドア」はやっぱりほんとにいい曲やわぁと、僕うっとり。

で、レデシー、リズ・ライト、エミリー・キング、黒田卓也、インディ・ザーラなどなどこれまでいろんなひととコラボレーションしてきて……みたいなこと話した上で「スペシャル・ゲスト!」と言ってステージに呼んだのは、去年ホセの奥様となったシンガー・ソングライターのターリ。スペシャル・ゲストって!  とつっこみたくなりつつも、ターリに新作曲「アイ・ファウンド・ア・ラヴ」を歌わせるホセの愛の力を実感。この幸せ力がポジティブで開放感ある新作を作らせたのだし、今回のライブの開かれ方にも繋がっているのだ。

そして本編ラストは『ラヴ・イン・ア・タイム・オブ・マッドネス』から「リヴ・ユア・ファンタジー」。ホセの全楽曲中最強と言えるこのダンスナンバーの投下にいよいよ自分は立ちたくなったのだが、しかしあれほどのファンキーなノリにも関わらずどういうわけがお客さんみんな座ったまんま。バレンタインデイってことでカップルが多かったからなんですかね。理由はわからぬが、あれ、ちょっと不思議だったし、もどかしかった。

今回のライブは過去最高と言っていいくらい無理なく開かれていて、新旧取り混ぜたセトリのバランスも最高だったし、繰り返すがホセのスター・オーラが大いに放たれてもいた。なのに観客みんなが大熱狂…といったふうには結局ならずじまい。うーむ。パフォーマンスはほんとに最高で僕は大満足だったのだが、もしかして日本でファンダムがいまいちしっかり形成されていなかったりするのかと、正直そこだけが気にかかった。僕のようにホセのライブは毎回必ず観に行くっていうひとって何人くらいいるのだろう…。観る度に必ず新しいものを感じさせてくれるホセのライブはいつだって最高なんだがなあ。

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