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『ハニーボーイ』

2020年8月10日(月・祝)

吉祥寺アップリンクで『ハニーボーイ』。

たいして下調べもせずに観に行ったら予想外にヘヴィー。痛かった。痛みを感じずに観ることができなかった。酷い父親を演じたシャイア・ラブーフの自伝的作品であったことは、観たあとで知ったんだけども。

子も辛いが、父も辛い。生きていくのは辛いのだ。

父親がくれたのは痛みだけだ。が、痛みが唯一の父親の記憶なのだからそれを取り上げないでくれ。正確ではないが、そんなような言葉をオーティス(=ルーカス・ヘッジズ)はセラピストに叫んだ。辛い言葉だけど、痛みも大切な記憶なのだ。僕にある父親の記憶は、たぶん幼稚園の頃に母と新宿の伊勢丹前あたりを歩いたときに「いたような気がする」ってことと、あとは数年前の死に顔だけだ。「痛みとはいえ記憶があること」に比べて、それはましなことなのかどうなのか。『ウェイブス』(これもルーカス・ヘッジズくんでした)を2度観て、そして『ハニーボーイ』を観て、父親のことを改めていろいろ考え直しているこの今日この頃だ。

それはそうとノア・ジュプくんは役者として天才的ですね。あとFKAツイッグスが素晴らしい。そういえばこの映画での共演がきっかけでツイッグスとシャイアの交際が始まったんだった(その後、破局)。ツイッグスは演技表現もとてもいいので、また映画に出てほしいものです。



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