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朝霧JAM 2023

2023年10月21日(土)~22日(日)

静岡県富士宮市・朝霧アリーナで「朝霧JAM 2023」。

自分にとっては2018年以来となる朝霧JAM。2019年は台風で、2020年と2021年はコロナ禍で中止となり、4年振りの開催となった2022年は行くつもりでチケットを獲ってあったのだが、前日の夜に妻が体調を崩したので行くのをとりやめにした。

なので、実に5年振り。しかも、今までは場内でキャンプしていたが、今回は初めて、ふもとっぱらでオートキャンプをしてみた。これが想像以上の最高さ&快適さ。広々としていて、天気もよかったので見事な富士山が目の前にどんとあって。子供連れも多く、場内キャンプ場よりも平和でゆったり。会場内とはまた別の時間の流れ方をしているようだった。

富士山を拝みながら朝ごはん食べて、夜はキレイな星を見ながら赤ワイン飲んで。ほんと最高。晴れているなら、今度来るときもここがいいなと思った。

もちろんライブもよかったものばっかだ。

10月21日(土)。観たのは以下の通り。

MAIKA LOUBTE→HOVVDY→冥丁→折坂悠太(BAND)→OOIOO→IKEDA→KASSA OVERALL→THE ALBUM LEAF→toe with 原田郁子、皆川真人→OGRE YOU ASSHOLE→HIROKO YAMAMURA→BADBADNOTGOOD。

シンセ・ポップ的でメロディも親しみやすいMAIKA LOUBTEの誠実なパフォーマンス、和風で文学的とも言えそうなアンビエント~エレクトロニック表現で夢のなかにいる感覚にもなった冥丁のDJもかなりよかったが、この日のベストアクトはなんといってもKASSA OVERALL。ぶっちぎり。ダークめのアルバムと違ってライブはバンドが一丸となって観る者を楽しませるもので、うっひょ~、こんなにエンターテインメントなライブをする人だったのか!と驚いた。本人の開かれた動きや煽り、バンドの西アフリカ的な音鳴りも強くこっちの気持ちを昂らせるもので。走り回るトモキ・サンダースからも観客たちと繋がろうという思いがぶわっと出ていたし、もう全部が最高だった。

あとは、KASSAの前にカーニバルスターでザ・たこさんのベーシストであるイケちゃんのこってりファンクDJを聴けたのもよかったし、夜はムーンシャインにてHIROKO YAMAMURAさんのかけるハウスで開放されまくった。で、最後にレインボーで観たBADBADNOTGOODは、薄暗い照明と映像によってより没入感のあるものに。とはいえカラダを動かせるタイプの曲がほとんどなく、この日の夜は温度が相当低かったため、寒さに耐えきれず途中で離脱。ふもとっぱらに戻って赤ワイン飲んであったまった。

10月22日(日)。観たのは以下の通り。

さらさ→TENDRE→DENIMS→CHET FAKER→sunking
→KITTY,DAISY&LEWIS→WAAJEED→くるり→DJ NATURE。

午前中はテントでゆっくり時間をかけて朝ごはん食べていたので、お昼のさらさからスタート。アルバムが出たときにZoomで取材したが、ライブを観るのは初めて。朝霧ということでバンドメンバー全員がネイチャーよりの衣装を着ながらも、シャーデー的なR&B味あるポップをいい温度感で聴かせてくれた。最後に歌った「火をつけて」がやっぱりキラーチューンと言えるものでよかった。初めて観た大阪のDENIMSは、ホーンのふたりも入って、ソウル音楽好きだということのわかる楽しいステージを。sunkingは太いドラムの音とサックスの妖しさとジャズ/プログレ的な鍵盤が混ざった実験性・即興性の強い電化ジャズで、新しい体験をした感覚があった。

この日、自分が一番楽しみにしていたのが、KITTY,DAISY&LEWIS。ステージの真下あたりまで行ってかぶりつきで楽しんだ。初めて僕がこのバンドを観たのはデビューした2008年の朝霧JAMで、まだ10代の3人がブルーズやジャンプミュージックをセンスよくキメてることに軽く衝撃を受け、以来、来日すれば必ず観に行ったものだが、15年振りに帰ってきた朝霧でのパフォーマンスは観客と繋がろうという思いが多大に見て取れる開かれたもので、変わらずに好きな音楽を追求しながらも3人ともがしっかり音楽的成長を見せていて嬉しくなった。

くるりはほとんど聴いてこなかったバンドで、ライブも観たことがあったかなかったか記憶にないくらいなのだが、今回観てみて、さすがに演奏力のしっかりしたバンドだなという印象を持った。わけてもサポートで入っている石若駿のドラムが縦横無尽で、メンバーたちもそれに触発されてか相当熱量高くグルーブを生み出していた。特に凄いと思ったのがインスト曲。ヴォーカルからロックはあまり感じられないが、演奏の熱さはまさしくロック的だった。

ムーンシャインでのWAAJEEDはデトロイトハウスの重さと黒さがカラダを揺らし、最後のDJ NATUREのハウス攻勢では阿呆のように踊って、ああ、これが朝霧Jamの最高さだよな~、本当に来てよかったな~と、開放感マックス。大満足のままふもとっぱらに戻って、焚火して、星見て、参鶏湯食べて、日本酒を呑んだ。

やっぱりいいフェス、朝霧Jam。来年も晴れるといいねえ。

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