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『パブリック 図書館の奇跡』

2020年7月18日(土)

新宿武蔵野館で、『パブリック 図書館の奇跡』。

「とてもいい映画」であると同時に「よくできた映画」でもあった。製作・監督・脚本・主演を兼ねたエミリオ・エステベスの、現代アメリカに対する関心、弱者への思い、それを風刺とユーモアを混ぜたヒューマンドラマとして伝えんとする気概が素晴らしい。

エミリオというと、僕なんかは未だに『アウトサイダー』とか『セント・エルモス・ファイアー』とか『ヤングガン』とか、ああいう昔の映画のイメージが残ってたりもするんだけど、いまはこうして監督・脚本家として独自の地位を築いているのだなぁ。立派!!

パブリック(公共機関)の存在意義とはなんなのか。図書館はなんのためにあるのか。それを主題としているのだが、格差・貧困、ブラックライヴズマター、香港国安法、SNSの誹謗中傷問題などいまの世界のさまざまな社会問題が結局は根っこのところで繋がっていることがそこから見えてきて、いろいろ考えさせられる。が、語り口は軽やかで、物語として面白く、ときどき笑っちゃったりもしながら引き込まれ、じわっと感動も。

一緒に観た妻は、フレデリック・ワイズマン監督によるドキュメンタリー『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』を前に観ていて、それを踏まえると『パブリック 図書館の奇跡』がより深く楽しめるそうな。なので、順序が逆になったが、今度そっちも観てみよう。

とりあえず、これからもっと図書館を利用しようと思ったりも。


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