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『プロミシング・ヤング・ウーマン』

2021年7月18日(日)

吉祥寺オデオンで、『プロミシング・ヤング・ウーマン』。

レイプを扱った映画、復讐を描いた映画は過去にもあったが、80年代や90年代のそれらとは切り口も手法もテーマ性もまったく異なり、実にこう、2020年代の作品だなと。

音楽のもってき方が見事で、いちいちドンピシャ。単なる物語の抑揚付けや感情表現として曲を使うものも(日本は特に)少なくないが、そうではなく歌詞を踏まえての意味付けとして定着させる。曲を理解しているひとが制作に入っていることでこんなにも…と感心したり羨ましくなったり。

色合いもテンポ感もポップで、笑える場面やスカッとするところもあるが、訴えかけてくるものはなかなかにヘヴィ。おまえはどうなんだと突きつけられる気がするところもあり。特に最近はブリトニーのこと、そしてこの3日間はずっと小山田くんのことを考えて考えて眠れなくなったりもしていたので、えぐられる感じもあった。観終えてすっきりとはならず、(その意識の欠落した)加害についてと被害について、またはそうした加害を許容してきた社会について、尚更深く考えることとなった。

日本での公開は遅かったが、いまこのタイミングで観たからこそ尚更響いたというところも間違いなくあるので結果的によかったのだろう。


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