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夕暮れの宝探し

陽が西に傾く頃、

「どんぐり拾いに行こう!」と彼は言う。。。

ご飯の支度がチラリと頭をかすめるも、
週末だし、まぁいいか…と、いつもの公園へ。

秘密の場所は2つ。

1つは、ランナー定番コースで、昼間でも薄暗い木の茂る小径。
ある、ある!去年よりもたくさん!!
差し込む薄陽で飴色に光り、まるで雫のよう。
輝きを増して愛おしくなる。

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もう1つは、ウッドチップの小径。
こちらは先客がいた。邪魔しないように、違う木の下にしゃがみ込む。
先ほどとは異なり、ほっそりスリム。
夢中になって集めていたら、肩や頭にコツン!ポトン!と落とし物。木から贈り物、お土産かな。

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5時の鐘
バケツいっぱいの宝物
満足そうなピカピカ笑顔
繋いだ小さな手のあたたかさ
夕焼けが徐々に闇夜へ移りゆく空
眩しい美しさを放つ月、寄り添うように輝く木星と土星
スズムシの優しい鳴き声
彼が蹴散らす落ち葉の乾いた香り、
銀杏の匂いもうっすらと。
ほんの少し湿り気を帯びた風に背中を押され、
急に心細くなり、家路を急ぐ…



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