見出し画像

【ネクロニカ】初心者向け変異パーツレビュー

はじめに

知り合いにネクロニカを布教した。
しかし、彼はリョナラーでもなければネクロフィリアでもない、普通のロリコンケモナーで、曰く変異は敷居が高いらしい。

由々しき問題である。

よって、

  • ルールブックを持っている

  • 『姉妹』『ネクロマンサー』といった語、世界観を多少知っている

という、『1回セッションに参加したことがある』くらいのビギナーを想定して変異パーツのレビューを書いている。ついでにだれかのビルドの参考になったら幸いだ。

クラスは変異とシナジーが強いバロックを念頭に置いた。
各パーツを採用する場合を網羅的に記述することは不可能なので、オーソドックスな物と特に意外そうな物について記述した(と思う)。

記述にあたって大まかに以下のような姉妹の『型』を想定している。

  • アタッカー
    高い火力で敵を殴り、完全解体したいドール。
    肉弾や白兵をメインにする前衛、銃撃や砲撃をメインにする後衛に分かれる。

  • 妨害/支援
    敵の攻撃判定を失敗させたり、味方の攻撃判定を成功させたりしてサイコロを安定させるドール。妨害・支援のどちらか一方だけをやるタイプ、両方やるタイプがいる。

  • タンク
    盾になって味方を守るドール。性質上、ステーシーのクラススキル【庇う】と防御パーツがほぼ必須になる。


ここで注意してほしいことが1つある。

ネクロニカは多くのTRPGとは違い、何かに特化するのが最強ではない。

このゲームは、攻撃できるパーツがなくなったら詰む。なのに切断とかいう部位をすべて吹き飛ばすぶっ壊れ攻撃が気軽に飛び交う。


腕に攻撃パーツを1つと、大量の支援やダメージ追加を盛った白兵ゴリラがいるとしよう。
TRPGではよくある、何か1つの性能にすべてを賭けたビルドだ。

ネクロニカでは、こういうドールが普通の敵に何もできずに解体されることがある。1ターン目に腕を切断されて以後何もできなくなる……という事故だ。こうなってはNCもPLも悲しい。

そもそも、何もしなければ半分の攻撃は失敗し、1割で自傷で返ってくるピーキーなシステムだ。それでいて、敵を倒せずターン数がかさむと姉妹はすぐ発狂してしまう。姉妹はとにかく打たれ弱い。そんなところが好き

そのうえで、このゲームではタンク・支援/妨害型といったサポートに回ったドールが他の全ドールの面倒を見れるわけではない。タンクがいようと多少の傷と攻撃ミスを前提に組まなければならない。

こういう理由で、自分の専門外でも、妨害や支援、防御、攻撃を多少持っていることが望ましい。

そして、変異には妨害・支援・防御・攻撃全てが揃っている
つけよう、変異パーツ。

レベル1

【うじむし】

かなり優秀な犠牲パーツ。
【異形存在】(バロック)や【よぶんなあし】(変異3)と組みあわせて毎ターンダメージを踏み倒すのが効果的。単純に重要なパーツの多い腕などに持っても良い。
行動値が足りてれば採用を考えよう。

尚、見た目は…… 最高だな! 苦手なら高速再生する肉とかにしておこう。


【つぎはぎ】

犠牲パーツとして悪くはないのだが、大抵は【うじむし】に軍配があがる。
補修パーツが厳しくなるキャンペーンでの採用ならあり得るか。

ただ、【うじむし】より見た目がマイルド。
大体のドールはつぎはぎだし、実質的に見た目の影響はない気が…。


【しんぞう】

正義。変異1は行動値増加が2つあるだけでかなり優秀。
外見的な変化を考えなくていいのが楽かも。【しっぽ】とは好みで選択。


【しっぽ】

ケモナー御用達。姉妹的にもこれはかわいいらしい(公式)。


【はりつき】

あまり用事がないパーツ……かと思いきや、レギオンの移動妨害を熱心に使ってくるNCには刺さったりする。

地味にアドベンチャーパートで動きやすくなり、ロールプレイが楽しい。鋭い爪で壁を掴む、吸盤でくっつくなど、比較的マイルドに描写可能。


【どろどろ】

コスト・ダメージ・射程と優秀なのだが、発動が不安定で他の変異1が優秀なために積むことが少ないパーツ。
肉弾アタッカーや行動値があまりがちなタンクが持つ。

【ちみどろ】と合わせ、変異1の体液枠。梨汁ぶしゃあ、というやつ。


【かぎづめ】

使いどころが無いパーツ?とんでもない。レベル1どころか、変異全パーツ中でも強い(私見)。

実は、同コスト帯の強化パーツで唯一【ガントレット】(改造3),【怪力】(バロック),【凶化器官】(バロック)を全乗せできる。
コスト・ダメージの比は【どくばり】(変異2)より優秀。
対抗馬は【エレクトリッガー】だが、あちらは改造レベル2で転倒が主体と差別化できている。

アタッカー全体ではかの【名刀】型ほど攻撃力が伸びないものの、バロック特有の自由度で器用に立ち回れる。火力が切断や爆発に依存しないため、相手を選ばないのも良い。しかも腕がちぎれても強化された【あご】で抵抗できる。えっちだ……。

攻撃パーツにレベル3を充てなくて良くなるので、採用時は空いたパーツで個性を出そう。【だるま】とか【よぶんなあたま】とか
【ガントレット】抜きでもまあまあ強く、寵愛の低い環境でも使いやすい。腕以外につけた【くされじる】【にくへび】(ともに変異3)などのサブウェポンにも適する。

見た目もやさしく、バロック初心者におすすめ。ケモナーハッピーセット。


【あるびの】

赤眼白髪白い肌やりたいよね?採用しよう。

性能的には射程の広い【うで】。地味に使いやすい。支援型でなくても積んで後悔することはない。


【ちみどろ】

射程の広い【あし】。使いやすい。

体液枠。見た目に変化はないが、血が流れているとのこと。
裏を返せば普通のドールは血が流れていないということである。
【しんぞう】と一緒に積んであげたいフレーバー。


【おおあな】

さらに射程の広い【あし】。ただし自分が殴られた時しか使えない。
【ちみどろ】に比べると、妨害型よりもアタッカー向け。

すてねこオートマトンのような穴だけでなく、片腕が無いなどの欠損でも良いようだ。
スナイパーの放った弾がこの穴を通り抜ける様子が各地で見られる。


【ぬるぬる】(歪曲の舞踏)

エッッッ!!!!!!!!

【エンバーミング】(改造3)の下位互換という感じ。対象が自身のとき限定のため、妨害型よりアタッカーに向く。

といっても、全身が粘液 *ぬるぬる* なのである。それだけで採用したいネクロマンサーも多い。
姉妹的には『不快の極み』らしいが、【おとこのこ】は果たしてそう思うのだろうか?


【すすりじた】(歪曲の舞踏)

【よだれじた】か?と思いきや、蚊や蝶の口吻に近いものらしい。

性能自体は微妙だが、効果がユニークでおもしろい。【凶化器官】の副作用を受けないのでぜひ組み合わせていきたい。
【死人の流儀】(ステーシー)の弾薬補給に使えるほか、【異形存在】(バロック)【だるま】(変異3)で被害を【はらわた】に集中させる利用方法もアリ。
まあ、【庇う】がとりにくい組み合わせになるんですが……。

【肉の宴】でよくね?

レベル2


【けもみみ】

最強のパーツ。かわいいかわいいかわいい…
無邪気な味方姉妹にこねくりまわされがちであり、それはポスト・アポカリプスに咲く一輪の百合の花になる。

数値的には『これでレベル2か…』となるかもしれないが、アドベンチャーパートでは大活躍する。見た目だけで採用しても後悔しないパーツ。


【おとこのこ】

インコグ・ラボは頭がおかしいのか?(賞賛)

頭につければ『凛々しい顔』で済むが、脚や胴についていたらそういうことだ。
これと【少女】(アリス)にシナジーがあるのは悪意4を感じる。futanari。
変異はもともと人の体から程遠い、つまり……→【よぶんなちんちん】


【よぶんなうで】

ものすごく優秀で幅広い使い道があるパーツ。弊卓のいわゆるマンチ構成ではかなりの採用率を誇った。

【死の手】(レクイエム)と似た効果だが、【死の手】は移動が不可能な代わりにラピッドタイミングの攻撃も放てる違いがある。【死の手】とあわせて持てば実質的に【無限解体】(タナトス)と同程度の超火力を出せる。また【けもあし】(変異3)と組み合わせれば、敵の高コストな攻撃を華麗に避けることも可能。これがあまりにも凶悪。

腕が生えるが、ネクロニカではマイルドな見た目である。ゼンゼンいける、むしろかわいい。


【ほねやり】

見た目が目的でなければ採用は厳しめ。
というのも、メインに据えるなら【にくむち/へび】(変異3)や【ライトセイバー】(改造3)のほうが安定するし、サブで持つ攻撃なら【かぎづめ】や【どくばり】で十分……という塩梅である。
一応、同コスト帯の連撃アクションは【火炎瓶】(武装1)と【ライトセイバー】しかいないので差別化は可能。
これをメインに据えるならコストの低さと肉弾属性を活かそう。

完全発狂した姉妹のために書いておく。
【発勁】【盤上の駒】と移動妨害で敵を奈落に押し込み続けて【奈落の抗い】で1コスト攻撃を撃ちまくる狂気の戦法がある。
連撃したくて寵愛が厳しいなら【ほねやり】採用も考えよう。


【どくばり】

一見、普通で使いやすいパーツ……なのだが、上に書いたようにメイン武器に据えようと思うと【かぎづめ】を超えられない。
とはいえ、部位の自由度や一撃の重さで差別化できる。ダメージだけで比較しても大差はない。好みで選ぼう。

実は変異2における体液枠。そして、ゴライアス先生をドールで再現するには必須のパーツだ。


【よだれじた】

端的に言って微妙な性能。悪くはないのだが、転倒狙いで使うには起点が敵依存なのがよろしくない。かといって妨害の数値に対してコストが重い。

では、なぜ多くのネクロマンサーがこれを採用するのだろうか?
姉妹を舐めせるためである。(修正+2で対話判定)
公式もZQ舐めてるしね…。


【よぶんなめ】

性能はかなり優秀。支援型はもちろん、アタッカーが雑に握っても活躍する場面は多い。

強いて問題点をあげるなら、その見た目である。額や掌に第三の眼がある程度にすればマイルドだが、デフォルトでは『いくつか』目が追加されることを想定しているようで…… 多眼もかわいいよね。


【しょくしゅ】

一部の紳士諸君はいつも採用しているのではないだろうか?

性能は無難。転倒などと組み合わせて敵の動きを鈍らせよう。
改造2に全く同性能の【テンタクル】がある。

余談だが、ドールの間では機械式の【テンタクル】のほうが好まれるらしい。生体触手は嫌悪感があるってさ。


【ほとけかずら】

使いやすい支援・妨害パーツ。射程がないのはやや使いづらいが、それでも前衛が持っていると戦いがかなり安定する。

ツタが絡まっていたり苔が生えていたり、見た目は自由。
ネクロマンサーもSDGsに配慮する、時代の潮流を感じさせる一品。


【うろこ】

強い防御パーツ。シンプルに強い。タンクが【うろこ】【やぶれひまく】(変異3)【サイボーグ】(改造3)を揃えてくると、これを抜けるサヴァントは余程いない。
サブウェポンに乏しいアタッカーの自衛手段としてもおすすめ。

見た目は毛皮、鱗、甲羅など幅広い。姉妹はイヤがっていそうな説明文だが、かわいい方。


【つめたいひかり】(歪曲の舞踏)

サヴァントには意味がないし、正直効果を感じづらいが、弱くはない(と思う)。持つパーツに困ったタンクが握ると良いだろう。
変異レベル3の【かめれおん】とはシナジーがある。

デフォルトでは、キモいというよりびっくり人間さんな見た目になる。ホタルイカやチョウチンアンコウの雰囲気だろうか。
かといって、ホラーやレギオンが避けるような別の表現は思いつかない……ニオイとか…?


【おおつの】(歪曲の舞踏)

ロマンパーツ。大成功すれば効果発動、つまりダイスの神を味方にすれば100%発動する。採用する場合は神棚に祈っておくこと。

転倒対策をされてもパーツが腐らないのがえらい(腐ってるけど)。
性質上、判定値の底上げと組み合わせたい。射程や効果から【にくへび】(変異3)との組み合わせがベストか。
無論、ダイスが強ければ何と組み合わせても強い。

鹿や羊のソレより大きそうだが、細かいことは気にせず角っこを作ろう。


レベル3


【よぶんなあし】

かなり独特な効果を持ったパーツ。雑に詰んでもあまり真価を発揮できない。採用するなら脚にパーツを集約する専用構成を考えよう。
【うじむし】や【肉の宴】(ゴシック)で脚に1パーツは確保しておき、脚に詰め込んだ強力なパーツで攻撃し続けよう。尚ロールプレイの演出はえらいことになる。

普通に見た目を作れば、ケンタウロスやアラクネ、タコになるだろうか。


【よぶんなあたま】

頭おかしいんじゃねーの? 意図的に頭が2つあるのだから当然おかしい。
ネクロニカの全パーツ中もっとも癖の強い見た目を持つ。多くのプレイヤーはここでインコグ・ラボを恐れ始める。

性能はシンプルで無難に強い。行動値は正義。

ただし、使う場合は事前にロールプレイでどう扱うのか考えておこう。一人二役は難易度が高い。厳しいと感じたら、2つの頭で人格を共有している・単に脳が肥大化しているといったフレーバーに変えるといい。

余談だが、とびぬけておかしいこのパーツと【だるま】は説明文がどことなく怖い。


【やせぎす】

強いパーツ……なのだが、変異レベル3は他に有用なパーツが多くかすみがち。
また、『妨害を積みすぎるとPLが悲しい気持ちになる』というメタ的な事情により、妨害を盛ってくるNCは少なく、活躍の機会が少ない。

ただ、このパーツを前衛アタッカーが持っていると美貌を封じられたゾンビクイーンを見られる。
かわいい顔をぼこぼこにされるZQかわいそう…… かわいい!


【くされじる】

重いコストと豪華な効果を持つ。【空飛ぶギロチン】の変異版。
ギロチンと比べ、

  • 防がれにくい爆発であること

  • バロックにシナジーのあるスキルが集まっていること

と、こちらのほうが優秀。
パッと見はダメージが弱いが、【怪力】や【ガントレット】(改造3)を持つと十分強い。【スパイク】(改造2)や【ジェットノズル】(改造1)もあるので、改造と併せて取りたい。

体液系最上位。ハンターの諸氏はシェンガオレンの酸弾を連想するだろうか。


【にくむち】

射程が長い連撃。肉弾版の【二丁拳銃】(武装2)であることを意識すると、バロックによる補正を鑑みてもレベル3としては控えめな性能である。

連撃したいロマンチストにはこれより【にくへび】のほうがおすすめ。
あえてこちらを採用する場合は射程を活かそう。


【やぶれひまく】

シンプルに最強の盾。正統な防御型は大抵これを積んでいる。前衛も、とりたいものが思いつかない場合はこれを積んでみよう。

見た目が天使や悪魔っぽくなるので厨二心に嬉しい。
……のだが、大抵の場合、変異レベル3に至ったドールは他の部分が既にアレなことになっている。触手が生えてたり、ぬめぬめしてたり、手足が無かったり……。


【けもあし】

かわいいね🤗って感じなのだが、姉妹的にはひどく歪んだ造形らしい。そうかな?(感覚麻痺)

性能はシンプルで強い。射程が狭い構成なら最終的には持っておきたい。
同等な移動パーツは他になく、これのためだけに【歪極】をとることすらある。


【しびとだけ】

優しくないほうの植物パーツ。妨害型は大抵これを持っている。
【背徳の悦び】で複数回使いたいくらい、とにかく強い。射程が狭い点には気をつけよう。

デフォルトの見た目ではただきのこが生える、それだけ。普通だな!


【だるま】

かわいいね🤗 と思って採用するのであれば、ネクロマンサーへの適性は高い。社会への適性は低い。

効果が複雑なのでよく読もう。エラッタも複数回来ている。公式ページの『暫定解決』や『FAQ』をよく確認してから採用しよう。特に【ガントレット】や【キャンサー】とのシナジーは存在しないので注意。

性能的には微妙。エラッタで爆発に効かなくなったのが痛い。
一方、【異形存在】や【結晶化】と組み合わせることでものすごく硬くなり、ほとんど解体されなくなる。寵愛が20~30は必要で、【庇う】を取りたい場合はそれ以上かかるという愛がいる構成だが、試すと楽しい。

ロールプレイでも道のりは険しい。姉妹におぶってもらったり、芋虫のように這ったり、触手や機械で移動するしかない。無力でかわいいね……


【きもちいいくすり】

変異レベル3はこんなのばっかりか?屍娘シャブ漬け戦略である。
殴られて気持ち良くなるのはどう考えても狂気の沙汰なのだが、なぜか狂気は収まる。

誰が持っても強いが、特に狂気点が溜まりやすいホリックやサイケデリックなどでは積極的に採用したい。

クールキャラで使うとキャラ崩壊するかもしれない。少し工夫してあげよう。


【かめれおん】(歪曲の舞踏)

ユニークな効果を持ち、ロールプレイ的にも楽しい一品。
基本的には妨害・支援型が持つ。サヴァントには効果がないので注意が必要だが、【つめたいひかり】と組み合わせるとホラー・レギオンに対して大変強い。ただ、妨害としては同レベルの【しびとだけ】のほうが優先度が高く、高寵愛でなければ採用しづらい。

レベル3の中では、見た目・機能ともにかなりマイルド。


【にくへび】(歪曲の舞踏)

変異パーツ最強の火力を誇るロマン武器。 威力は【芝刈り機】に劣るが、振り直し効果が非常に強い。【失敗作】も含めて判定値を盛っておけば、もはやロマン武器というより安定武器である。【怪力】【ガントレット】により、切断・爆発抜きで12点を叩き出すこともできる。

他の連撃パーツも同様であるが、1発の火力を上げる【ジェットノズル】などよりも【ボルトヘッド】【よぶんなめ】など支援を持つ方が強い。

デフォルトの見た目は、名前に反しなんと。思ったよりキツい見た目になる。虫を嫌う場合は、体液系の腐食攻撃などとして描写するといいかもしれない。


おわり


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?