小説「中目黒の街角で」 第6話
青山の骨董通りにあった地下二階建てのレストランには多くのモデルやタレントや業界関係者が集まっていた。一階のレストランでのレセプションが終わると地下に作られたダンスフロアですぐにパーテイーが始まり、煌びやかな社交場と化した。
僕は場違いな空間で居場所もなく、フロアの隅で緊張しながら自分の出番を待っていた。高木とは会場に入るときに言葉を交わしたがすでに酔っていて「ああ」とだけ言われ、周りの人間に紹介してくれることもなかった。
誰も知り合いのいない会場の中で僕は一人、気負いと