マガジンのカバー画像

ククブクの味見

626
海外の料理本のことならククブクにお任せ! 優れたデザイン性があり、コンセプトにひとと風土と文化が見える海外の料理本「cookbook」を紹介するマガジン「ククブク」を、noteで…
運営しているクリエイター

2019年7月の記事一覧

ペストを作って料理をベストに

食卓にもっとペストを採り入れるcookbook 5月の金曜ランキングで書いた、わが家のベランダ菜園 2019バージョン。 ベランダをよじ登ってやってくるナメクジたちの襲来にも耐え、バジルのプランターがだいぶモッサモサになってきました。 パスタを食べるときには使っているんですが、なかなかいちどに使いきれないのも事実。 どうしようかなと考えていたら、こんな新刊cookbookを見つけました。 アメリカのフード情報サイト「ザ・テイクアウト」の記事からお伝えします。 ***

飢餓に苦しむイエメンに「私たちの食卓」を取り戻すために

NYの専門書店がおすすめするイエメン料理のcookbook ククブクでも何度か取り上げている、ニューヨークのcookbook専門書店「キッチン・アーツ&レターズ」。 目利きの店主がしっかりと本を吟味し、オススメのものがあればウェブサイトやメールマガジンで紹介することでも知られています。 フード情報サイトなどが言う「オススメ」とは、やっぱり信頼感が違うんだよなぁ。 久しぶりにサイトをのぞいたら、たいそう力の入ったレビューを発見したので、今日はそのcookbookを見ていきた

金曜日のcookbookランキング

#129 イタリアパンに愛を込めて 新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。 7月第4週のランキングをお伝えします。 今週は久しぶりにフムスを作りました。 フムスというのは、ひよこ豆と練りごま、ニンニクなどを混ぜ合わせて作るディップのことで、世界的に流行している中東料理のひとつです。 オリーブオイルをかけてパンやクラッカーにぬって食べてもいいですし、いまの時期だったら冷製パスタに絡めていただくのも美味しいです。 ぼくは食パンにぬって

ヒップホップとレシピのミックステープ

ザ・ルーツのフロントマンがcookbookを発売 相次ぐヒップホップミュージシャンによるcookbookの発売。 アクション・ブロンソンの『F*ck, That’s Delicious: An Annotated Guide to Eating Well』に、 スヌープ・ドッグの『From Crook to Cook: Platinum Recipes from Tha Boss Dogg’s Kitchen』。 懐かしいビースティ・ボーイズも、回想録『Beastie B

ことばは口を切り裂き、料理はその傷を癒す

ある中国系デザイナーのcookbookへの挑戦 2017年に『Salt, Fat, Acid, Heat: Mastering the Elements of Good Cooking』が発売されたころ、イラストレーションを多用したcookbookが増えていることが話題になって、ククブクでも何度か検証をしたことがあります。 その理由としては、 ・バチっと決まったよそ行きの料理写真より、優しいイラストのほうが読者のやってみるかという気を起こさせる。 ・イラストはcookb

金曜日のcookbookランキング

#128 もうひとつのボヘミアン・ラプソディ新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。 7月第3週のランキングをお伝えします。 今週は東京・八広にある和菓子店「梅鉢屋」さんに取材をさせていただく機会がありました。 梅鉢屋さんは、江戸時代から伝わる「砂糖漬」の技術を現在も継承しているお店。 大根や人参、ショウガなどの野菜をゆでたあと、糖蜜の入った液で何度も煮立て、少しずつ素材に砂糖を含ませていきます。 完成すると、こんなにきれいな野菜の砂

発表! グルマン世界料理本大賞2019

日本からは『みそさえあれば。』など3作品がグランプリ🏆 ククブクでご紹介している料理本はアメリカとイギリスの出版社から発売されているものがほとんどですが、世界にはそれ以外にも優れたcookbookがたくさんあります。 そういう優れたcookbookを毎年一回顕彰しているアワードが、「グルマン世界料理本大賞」です。 例年5月におこなわれることが多いこのアワード、24回目となる今年は7月の3日から7日にかけてマカオで授賞式が開催されました。 総参加国数は昨年より1増え、世界

給食革命は菜食のフェイズへ

ジェイミー最新刊のテーマは「野菜」 今年の夏は、ぼくもビーガンになろうと思っています。 ビールをガンガン飲むほうのビーガンですけど。 ……。 レストラン経営で再建策を模索中のイギリスのシェフ、ジェイミー・オリヴァー。 この夏発売される彼の新刊は、野菜をメインテーマに据えたcookbookになるようです。 *** 続きはぜひククブクのページでご覧ください!

金曜日のcookbookランキング

#127 土曜日のメンタリティー 新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。 7月第2週のランキングをお伝えします。 今週は仕事で東京の十条を久しぶりに訪れる機会がありました。 テレビなどでは駅前の商店街が元気な場所ということで、取り上げられることが多いですよね。 母の実家が十条なので、小さいころからよく行ってたんです。 毎年6月30日と7月1日には地元の富士神社のお祭り「お富士さん」があって、小銭を握りしめて屋台フードやおもちゃなん

キッチンは人を育てる場、そして人を安心させる場

クロニクル紙が選ぶ2019年上半期ベスト その3 2019年の上半期を総括する、サンフランシスコ・クロニクル紙のオススメcookbookの記事を読んでいます。 前回はインド・コルカタからイギリス・ロンドンに移住して人気店「ダージリン・エクスプレス」を開いたシェフ、アスマ・カーンによるインド料理のcookbookと、アメリカ・ミシガン州の農園レストラン「グラナー・ファーム」のシェフ、アブラ・ベレンズによる野菜のレシピが満載のcookbookをご紹介しました。 後者は野菜料理

クローバー畑でダージリン急行をつかまえて

クロニクル紙が選ぶ2019年上半期ベスト その2 2019年の半分が終わったということで、これまでに発売されたcookbookのオススメを紹介するサンフランシスコ・クロニクル紙の記事を読んでいます。 前回は、移民の女性などに対して飲食業界での起業支援をおこなっているNPOのcookbookと、現在放送中のトレイシー・モーガン主演のコメディドラマ『The Last O.G.』のオフシャルcookbookをご紹介しました。 どちらのcookbookも写真のクオリティが高かった

金曜日のcookbookランキング

#126 ミッドセンチュリーのフード広告 新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。 7月第1週のランキングをお伝えします。 先週の金曜日の夜、さいたま芸術劇場にディミトリス・パパイオアヌーの『THE GREAT TAMER』を観にいってきました。 パパイオアヌーはペインター/漫画家出身で、現在は舞台芸術全般(演出、振付、舞台芸術、衣装、メイクetc)を手がけているアーティストで、2004年のアテネオリンピック開会式で演出を手がけています

これが私たちの店、私たちの料理

クロニクル紙が選ぶ2019年上半期ベスト その1 2019年も半分が過ぎたということで。 今日はサンフランシスコ・クロニクル紙に掲載されていた「今年上半期のベストcookbook」の記事をご紹介したいと思います。 記者や寄稿者たち6名が、自分のベストと思うcookbookを1冊ずつ挙げていく方式。 すでにククブクでご紹介した作品もありますが、優れた作品には何度ことばを尽くしてもいいと思いますので、重ねてご紹介していきたいと思います。 *** 続きはぜひククブクのペー

ジュードのアイスは0℃のアイス

イギリスのこだわりアイスクリームのcookbookが発売 先週水曜日、ようやく九州北部から近畿地方までが梅雨入りしたそうです。 過去最遅なんだとか。 しばらくは洗濯にも困るような鬱陶しい気候が続きますが、あともうちょっと待てば、太陽と陽射しのシーズンがまたやってきます。 夏になれば、冷たいアイスクリームが恋しくなってきますよね? 日本ではなかなか家庭でアイスクリームを作るという機会はないのかもしれませんが、cookbookのなかにはアイスクリームを専門に扱ったものがけ