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コメットと僕【第二回】SuperUnicumに憧れて

その戦車兵は心を病みました
泣きました
好きな戦車はコメットですよねpart1より


それから半年ぐらいの間、僕は戦闘開始のボタンを一度も押せなかった。

WoTが嫌いになったわけじゃなかった。
その証拠に、他人がプレイする動画や配信はよく見ていた。

この頃一番よく見ていたのはパープルさんの配信だった。
tier5以上の全LTで3優等を取りきる、という偉業を成し遂げたすごい人だ。
その動きは洗練されていて、鮮やかで、
見ていてとても気持ちよくって、
「やっぱりこの人すっごいなぁ…」
って思いながら毎日見ていた。

そしたら自分でもやりたくなって、
たまにWoTを起動するんだけど…

起動するんだけど…

どうしても戦闘開始ボタンが押せなかった。
また怒られるんだろうな…
また罵られるんだろうな…
また撃ち殺されるかもしれない…
自分は上手にできないし…
そう思うとやる気が無くなっちゃって

どうしても戦闘開始ボタンが押せなかった

僕が自分で戦車をしなくなって
半年ぐらい経ったある日のことだった…
パープルさんの配信が終わって、
なにげに、あなたにおすすめのチャンネル
ってところから
知らない人の配信を見ることにしたんだけど、

その配信を見たことが、そこから始まる僕の第2の戦車人生のすべての始まりだった。

配信者の名前は、りーぷすさんという人だった。
ユニカムを超えるレートを
叩き出し続けるスーパーユニカム…

その言葉があることは知っていたけど、
そんな都市伝説みたいな人が
本当に実在することを、
僕はこのとき初めて知った。

すぐに虜になった。
他のユニカムの人の配信を見たことはあったけど、
りーぷすさんは、他の人とは
まるで違うように僕の目に写った。

MTが専門の人で、
敵のHTを正面からバシバシ撃ち倒していく。
僕の目にはそれは魔法のように見えた。
敵の弾を全弾躱したり弾いたりしながら、
こちらの弾は全弾、的確に相手の弱点に吸い込まれるように命中した。

何が起こってんの?意味がわからないw

それが、僕が最初に思った感想だ。
その姿はあまりに眩しくて、
暗い淵に沈んでいたその時の僕には
本当に眩しすぎて…

あんなふうに強かったら気持ちいいだろうなぁ…
あんなふうに自分の手足のように上手に戦車を操れたら楽しいだろうなぁ…

いつしか僕は、目頭に熱いものがこみ上げるのを感じた

僕もあんなふうになりたいなぁ…


その時りーぷすさんは5倍センチュリオンに乗っていて、
僕もどうしても5倍センチュが欲しくなった。
久し振りにWoTを起動して入手方法を探ったけど
結局それは叶わなかった。

5倍センチュは不定期販売で、
ショップで販売されてなかったから
どうやっても入手できなかったのだ。

仕方ないので通常ツリーの
無印センチュリオンで我慢する事にした。

とにかく、少しでもあの人に近い事をして、
あの人に近づきたかった。

幸いクロムウェルまでは開発済みだったし、
休止前のしばらくの間
新しい車両を開発する気力なんてなかったから、
フリー経験値もたくさん溜まっていた。

クロムウェルの次のコメットを飛ばして、
センチュリオンのモジュール開発を
全部済ませても、十分お釣りが来るほどの
フリー経験値が溜まっていた。

だから、コメットは乗らないで
飛ばすつもりでいた。

そもそもコメットには、
いいイメージが全然なかった。

クロムウェルはお気に入りの車両で、
僕にしては珍しく勝率が出せている車両だった。
だからこそ、コメットに良いイメージが
持てなかったのだ。

tierが一つ上がって周りは強くなるのに、
クロムから火力は据え置きで、
さらに、クロムの最大の長所であるスピードが
潰されるのだ。

完全に、クロムの劣化版じゃないか…
それが、当時僕がコメットに対して
抱いていたイメージで、
とても乗る気にはなれなかった。

コメットはフリーで飛ばすことに決めた。
だけど、開発ツリーにフリー経験値を
流し込む作業の途中、僕はふと思った。

そう、当時の僕はこう思ってくれた…

せっかくだから、記念に1回だけ乗ってみようかな…



次回
コメットと僕【第三回】ライブオークでの出会いとフィヨルドでの誓い

10月15日投稿予定

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