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コメットと僕【最終回】いつか必ずそこに至る

「不思議ね…
 優等目前の大事な一戦。もっと緊張するかと思っていた…
 うん。全然普通。平常心」

         好きな戦車はコメットですか?part18より

前回少し触れたけど、
練習メニューを始めてから
効果を自分で実感するまでには
少し時間がかかった。

一度67%まで落とした優等が
もう一度90%台に乗ったのは
2ヶ月近くあとのことだった。

一目惚れのライブオークから数えて
通算4ヶ月近く経っていた。

この4ヶ月は本当に寝ても覚めても
コメットだった。

仕事中でもコメットのことが頭から離れなかった。
夢の中でもコメットに乗っていた。

僕の「目的」と「手段」は
いつの間にか入れ替わっていて、
この時期、初めて自分でその事に気づいた。

僕の分身でもある動画内のキャラが
この頃、こんなことを言っている。

「本当はね、このまま3優等取れなくても良いかもと思ってる。
 3優等を目指して毎日コメットに乗っているのが
 本当に楽しいから」
        好きな戦車はコメットですか?part15より

当初の目的はとにかく自分に自信をつけたくて、
僕を罵倒した人たちを見返したくて、
何でもいいから3優等車両が欲しかった。
それに一番近いからという理由でコメットに乗っていた。

だけど、いつの間にか目的は入れ替わっていて、
コメットに乗るのが楽しくて、
3優等を目指すという分かりやすい目標が、
コメットをより楽しくする調味料のようなものに変わっていた。

だから、目標に到達することが少し怖くなったのだ。
もし、優等取ってしまったら今みたいな楽しい気分で
コメットに乗れなくなってしまうんじゃないかと…

90%からが本当の勝負だと誰かが言っていたので、
少し覚悟はしていたんだけど、
再び90%に戻ってきたあとは、
そのまま沼ることもなくスルスルと上がって行った。

2~3日後、94.5%まで来たときだけ少し緊張した。

自分で言うのもなんだけど、僕は照れ屋なので、
あまり自分の動画を自分で宣伝するのとかが恥ずかしくて
これまで書いてきたnoteでも一度も動画リンクを張ってなかったんだけど、
今回だけ貼らせてもらおうと思う。

なぜかって言うと、
ここまでこの記事を読んでくれたみんなには、
きっと伝わると思うから。

僕がこの日味わった感動と興奮が、
この動画からは溢れていて、
この記事を読んでくれた人にしか伝わらないものが、
きっと伝わると思うからだ。



僕は、幸福感や達成感というものは、
どこまでも相対的なものだと思う。

もし、この世界が飢えも苦しみもなく、
夏の酷暑も、厳冬もなく、
毎日遊んでいるだけで
美味しいものを、たらふく食べられる
夢のような世界だったとしよう。

果たしてその世界の住民は幸福感を
感じられるだろうか?
それが当たり前の世界に生まれて、
それを幸福と感じられるだろうか?

僕はたぶん違うと思う。

真夏のカンカン照りの中で汗を滝のように流して
歩き続けた一人の男が、休憩で喫茶店に入る…
ひんやりとクーラーの効いた店内で
椅子に深く腰掛け、冷たい飲み物を
乾いた喉に流し込みゴクゴクと飲み干す。

このときこの男が味わった快感は、
最初からクーラーが効いた部屋で
寝転がっていた男には、
絶対に味わえないのだ!

僕はコメットの優等を取るのに4ヶ月もかかっていて
それは、とても誇れることなんかじゃなくて
すっごい恥ずかしいことで…

でも、たかがtier7の優等取るのに4ヶ月もかけた僕だからこそ…
noobでidiotで波動拳しか出せなくて
使えなすぎて味方に撃ち殺されるような僕だったからこそ…

この日僕が味わった感動は、達成感は、
これまで他の誰も味わったことがないような
大きなものだったのだ!

【wot】好きな戦車はコメットですか?Part18【ゆっくり実況】
https://www.nicovideo.jp/watch/sm36649842

それに、4ヶ月もかかってしまったおかげで、
動画投稿後は本当にひっきりなしにお祝いのメッセージが届いて、
「ずっと応援していたので、まるで自分のことのように嬉しいです」
なんて嬉しい事言われちゃって、
自分が知らないところで、
こんなに沢山の人に応援してもらってたんだなぁ…って、
動画投稿しててよかったなぁって、
その日は傍から見たらキモいほどにやけながら布団に入って、
布団の中で眠りにつく前に僕はこう思った。

僕をこんなに幸せにしてくれたコメットに、
たぶん僕はこれからも乗り続けるんだろうなぁって…


で、その言葉通りコメットに乗り続けていて、
たまに、気が向いて他の戦車に
乗ってみたりすることもあるんだけど…

コメット以外の戦車だと全然ダメダメで、
しょぼ沈しまくりで全然活躍できない。

理由は何となく自分でも見当がついていた。
このゲームは結構メンタル面が及ぼす影響が大きい。
僕はコメット以外の戦車に乗ると、とたんに自信がなくなって
卑屈な、自分で自分を噛ませ犬だと思っていた
あの頃の僕に逆戻りしてしまうのだ。

長いことそれは僕の悩みの一つだったんだけど、
つい最近、それを克服する方法を思いついた。
他の戦車一つ一つに自信をつけれるようになるまで乗るのは
時間がかかりすぎる…

ならば、逆の発想だ!
他の戦車がコメットになれば良いのだ!

たぶん、みんな僕のことを馬鹿だと思っているだろう
寒いネタだと思っているに違いない

でも、実は僕は大真面目で、
コメット以外の戦車に乗れるようになるかどうか…
藁にもすがるような気持ちで思いついた方法なのだ。

最初の試みは、コメットに一番似ているという理由で
Cromwellで行われた。

見た目も似てるし砲もほぼ同じ。
これはコメットだ…ちょっと足が速いだけのコメットだ…

「でも、俯角が取れないからこれはコメットじゃないよ」

頭の中で、もう一人の僕がいらんことを言う…
僕の自信がちょっと揺らぐ…

違う!これはコメットだ!ちょっと足が速くて俯角が取れないコメットだ!
もう一人の僕を強引にねじ伏せる。

「でも、拡散悪くてコメットみたいに弾が当たらないよね」

それでもこれはコメットなんだ!
ちょっと足が速くて俯角が取れなくて弾が当たらないだけのコメットなんだ!
何度も何度も僕を惑わそうとするもう一人の僕を
かき消し続けた。

そして、ついに僕はもう一人の僕に打ち勝って
Cromwellをコメットと思い込むことに成功した。
コメット以外で初めて取れた3優等だ。

はたから見れば人類史上最もバカバカしい戦いだったかもしれない…
それでも、それは僕にとって何よりも大きな第一歩だった。


ちょっと長くなりすぎたので、
そろそろ今回のタイトル回収して締めさせてもらいたい。

優等が取れてしばらくして、僕は次の目標を立てることにした。
こんなにコメットコメット言っているんだから、
やっぱり最終的にNo.1のコメット乗りになりたい。

で、No.1のコメット乗りとはなんだろうと考えてみた。

月間ランク1位を取る?
いや、その月だけ1位になっても最強とは呼べないだろう…

月間ランク1位を継続的に取り続ける?
それは、限りなく最強に近いだろうけど、
過去にいたかもしれない最強に
勝っていないかもしれない…

最終的に僕が立てた目標は過去に一度だけ出されて、
未だに誰も更新できていない、
というか、近づくことさえ出来ていない
月間平均与ダメ最高記録2056
これを超え、なおかつそれを維持し続けること。
そこを最終目標に定めた。

ちなみにこの最高記録を残したのは、
第2回で紹介したりーぷすさんだ。
それはちょうど僕が優等をどんどん落としていって、
コメットを売り払う直前ぐらいの時期だったんだけど、
りーぷすさんはお遊びでコメットの優等やって
乗り出し3日ぐらいで60戦かからずに、
あっさり優等取って売り払っていった。
4ヶ月かかった僕の40倍の速さだ…

あのときはショックだったけど、
今は、僕の目標を残して行ってくれたことに
すごく感謝している。

その後、凄い上手い人達が何人か
コメットで優等やっていたのを知ってるけど、
りーぷすさんの記録は未だ更新されていない

参考までに直近5ヶ月の月間平均与ダメランキング1位の記録
10月 1508
 9月  1489
 8月  1501
 7月  1406
 6月  1730
コメットは低過ぎる単発ゆえ
安定して平均与ダメを稼ぐのが非常に難しい

まだ、月間ランク1位すら取れたことないし、
平均与ダメ2000どころか1500も超えたことないし、
そんな僕がりーぷすさんの記録を超えるなんて
身の程知らずなことを
言うだけでも恥ずかしいんだけど…

だけど、僕は確信している。
身の程知らずだけど断言する。

僕はいつか必ずこの目標を達成して
アジアサーバー最強のコメット乗りになるだろう

どんなに歩みは遅くても
そこに至る道を進み続ければ
いつか必ずそこに至る

あの日
僕の大好きなコメットが
僕にそう教えてくれたのだ

おわり

ダラダラとした無駄に長い読みづらい文章を、
最後まで読んでくださってありがとうございました。

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