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コメットと僕【第三回】ライブオークでの出会いとフィヨルドでの誓い

「砲身に3本線を刻んだエースになって
戦場を颯爽と駆け抜ける。
嗚呼…その夢が叶うなら…」
好きな戦車はコメットですか?part1より

今でもたまに思う。
もし、あの時当たったマップが
ライブオークじゃなかったら…

たった一度、コメットが僕のハートを
射止めるチャンスはその一度しかなかった。

マップはライブオーク。
西スタート。
これがコメットの初陣であり、
そして引退試合の予定だった。

俯角があるという事で初動は、
南東の橋の下の戦場に突っ込んだ。

実はそれまで、このマップで、
特に南東での戦いで
いい思いをしたことは一度もなかった。

頭出しで撃とうとしても、
もう少しだけ俯角が足りなくて、
撃てそうで撃てなくて…
モジモジしてるうちに
いつも一方的に削られて
ダメージ交換すら出来なくて…

たぶん頭を出す位置とかが
悪かったんだと思うけど、
本当に一方的に敵にボコられるのが
常だった。

だから、これは僕にとって
初めての経験だった。
コメットは何も考えずに
好きなところから頭を出して
好きなやつを撃てた。

俯角10度の戦車には
乗る機会も多かったけど、
俯角12度は別次元だった。

しかも、クロムウェルと違って、
ピョコって頭を出して
即座にパンって撃った弾が
ちゃんと命中するのだ。

最高速が下がったとはいえ
旋回、加速、後退速度は申し分なく
何のストレスも感じられない。

自分は全く被弾せず、
一方的に敵を削り続ける事ができたのは、
本当に初めての経験で快感だった。

まるで自分がりーぷすさんになったような
気分だった。

これは足が遅くなった
劣化版クロムウェルなんかじゃない!
弾が当たるようになって
俯角が取れるようになった
強化版クロムウェルじゃないか!

どこかで聞いたことがあるんだけど
パチンコで大当たりを引いたときの快感は
初恋のトキメキと同じものらしい
何やら快感を感じさせる脳内物質の種類は
そんなに多くないとの事だった。

この日、あのライブオークで僕が感じていたのは
確かに初恋のトキメキと同じものだった。

結果、2500ダメージぐらい取れて
初戦で大口径と1級バッジが貰えた。
何もかもが初めての経験だった。

それから30戦ぐらいは
物凄く強運に恵まれた。

優等はみるみる上がって行って
29戦目で1優等が取れた。

それは、普通の人には普通の事なのかもしれない
でも、僕は普通の人じゃなかった。
noobでidiotで波動拳しか出せなくて
too uselessと言われて味方に撃ち殺される
下手くそだった。

30戦以内で1優等が取れたのは
これが初めてで、
興奮が止まらなかった。

それまで優等システムがあることは知っていても
自分で意識したことはなかった
絶対に自分には無理だと思っていたし
ツイッターでポンポコ3優等報告している人達は
自分とは住む世界の違う
雲の上の人たちだと思ってた。

だけど、初めて30戦以内で1優等が取れて
もしかして…もしかしたら…
って一瞬思ったんだけど、
やっぱり無理だよなぁって
すぐにかき消した。

そんな事を考えながら押した戦闘開始。
次の試合はフィヨルドだった。
忘れられないフィヨルド東スタート。

この試合がコメットでの初Mバッジとなった。
「これは行ける!」

コメットは凄い!
コメットなら、あの雲の上の人達のところに
行けるかもしれない。

さんざん僕を罵って来た人たちを見返してやるんだ!
僕を背中から撃ち殺した人に言ってやるんだ!

僕はもうuseless manなんかじゃないって!

初めての3優等を目指すことに決めて、
興奮がおさまらない僕はトチ狂って
とんでもない事もやらかした。

何を勘違いしたか興奮状態のまま
動画投稿を始めてしまったのだ。

コメット乗り出し30戦目のこのフィヨルド戦…
これが記念すべき
「好きな戦車はコメットですか?」
の第一話として投稿されたものだった。


次回
コメットと僕【第四回】砂上の楼閣
10月22日投稿予定


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