見出し画像

クメール人のすごいところ・その1(全3回)

カンボジアに一年住んで思ったカンボジア人のすごい所。
一つ目は、「人間観察力が高いところ」です。
これはカンボジア人の「話し方」に関係しているのでは。。と思います。

どういうことかというと、
カンボジアでは、人を呼ぶときに、
自分より年上なら「បងボーン(お兄さん・お姉さん)」、
年下なら「អងオーン(妹・弟)」
自分の母親より年下のおば様ならば、「មីងミン」もしくは、
おじ様ならば「ពូプー」
自分の母親より年上のおじ・おば様は「អំオム」
おばあちゃんには「ジエイ」、おじいちゃんには「ター」
小学生くらいの子どもなら「កូនコーン(子ども)」、幼稚園くらいなら「ក្មួយクムオイ(甥っ子、姪っ子)」
などと呼ぶ習慣があります。
ちなみに、自分と同い年ぐらいの人ならば「ボーン」で良いそうです。
初めて会った人でも、知り合ってからしばらくたってからでもずっと使います。

‌例えば私がお店などに入って、若い定員さんだと、
「ロークアイ、ボーン?(何探してるの、お姉さん?)」と聞いてくるし、
ちょっと年配(50・60世代)は
「ロークアイ、コーン?(何探してるの、子供?)」
もっと年配には「チャウ?(孫)」と呼びかけられます。

日本では子ども本人に対して「こども!」「孫!」とは呼びかけないので、かなり違和感です。。なかなか慣れません。
このように、会話文の末に、必ずと言っていいほど人称代名詞を入れる文化があります。

無くても通じるのに、なぜいつも人称代名詞をつけるの?」とカンボジア人に聞いたことがあります。すると、なんと、これはカンボジアの
丁寧な表現」だと教えてもらいました。

「ロークアイ?」だけだと、「なにさがしてんの?」みたいな感じで
「ロークアイボーン?」だと、「何をお探しですか、マダム?」みたいな感じでしょうか。(笑)(一つ目はなぜか関西弁(笑))

確かに、クメール人は、学校やお店など、公共の場所で話す時は「はい」という相槌でさえ、「チャー、ボーン」「チャー、ネアックルー」などと、必ず後ろに人称代名詞をつけます。
日本の「です」「ます」みたいな役割だったのか。おもしろ~い!


そのため、私も、
初めて会った人でも、定員さんを呼ぶときでも、
「この人は自分より年上か、年下か??」を即座に考えて、
「ボーン」か「オーン」と呼ぶ必要が度々あります。
これがなかなか難しいのです。。。
あの人、オーンかな、ボーンかな、ミンかな・・・??と常に迷っています(笑)
人をよく見ないと、呼べません。

カンボジア人は呼ぶ時に迷うことは無いの?と聞くと、「ほぼ無い」そう。。
・・・すごくない?(笑)この人間観察力。
肌のツヤや、髪の色、しわ、などなどから判断するそう。(イヤー!)
日常会話で、このように人を見てすぐ呼びわける文化があるため、カンボジア人の人間観察力が自然と高くなったのでは・・?と思います。

ちなみに、大抵のクメール人は、定員さんを呼ぶとき、
「オーナーイ」と呼びます。
これは、「អងオーン+អើយウーイ(おーいとか、おおなどの感嘆語)」で、オーンの「ン」と、ウーイの「ウ」が「リンキング」(つながって別の音に変わること)されています。

英語だと、I need you が、「アイニージュー」となるアレです。
日本語だと、「ありがとうございます」が「あざーすっ」になる感じでしょうか?(笑)

多くの言語に見られるように、クメール語にもこのリンキングが
非常に沢山あり、クメール語を学ぶ外国人をいつも混乱させています。(笑)
これはまた今度どこかで書こうと思います。

人間観察力の話に戻します(笑)
もう一つ、観察力がすごいと思う理由。
それはすごく「気を利かせてくれる」こと。

例えば、私が手でたべるお菓子を食べていると、どこからともなく、さっとティッシュを出してくれる人がいること。
他にも、手を洗っていると、さっと洗剤を出してくれたり。
飲み物を飲んでいて、氷が無くなったら、いう前に入れてくれたり。
私からじゃ届かない所にある料理をさっと取ってくれたり。。。
言ってないのに、まるで私の心を見透かしたかのように、
「これほしいなー」という時にささっと気づいてくれる
この観察力、すごっ。素敵!
といつも思います!

ま、単にお世話好き、なのかもしれませんが!(笑)
でも、そのお世話も、その人の行動をよく見ていないとできません。
周りをよく見て、動ける人って心が広いなあと思います。
カンボジア人はそういう心を持った人が多いと思います。

長くなったので、残り2つは次回。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?