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架空ボーイズバンド、最高!:trolls band Together 感想


タイトル:「trolls band Together」
現在の国内視聴方法:北米版AmazonからDVDを購入

こんな方にオススメ: アイドルパロ的ノリが好き ミュージカル、アイドルカルチャーが好き、一貫して悪党なヴィランが好き、短めで盛り上がれる映画が好き そのほか全ての人


もくじ
・映画紹介 まえおき
:あらすじ
・感想(ネタバレあり)

このnoteはトロールズ3 バンドトゥギャザー のネタバレを含みます。

映画紹介 まえおき

視聴方法書きながら虚しすぎて変な笑いが出た
U-NEXTさんマジでお願いします。(現在トロールズ1、2を独占配信中)

今作はドリームワークス新作で、トロールズシリーズ3作目なんですが、公開前から主人公たちそっちのけでヴィランのビジュアルがエグい!とtiktok、Twitterなどでかなり話題になっていて、
それモクで見ました(不純)
初見 カップヘッドかなにかのファンメイドキャラかと思った  それくらい可愛い。

本国では11月に公開されたのですが、
インパクトのあるヴィランと劇中歌の話題性、同時期公開のD社作品の不況なども重なり、人気に火がつき
2月下旬現在まで未だに英語圏インターネットではファンアートやダンス動画がひっきりなしに更新されています。

あらすじ (思い出しながら頑張って書いた)

トロール村の女王、ポピーはボーイフレンドのブランチと共に、親友 ブリジットの結婚式の為にベルゲンタウンへ。盛大な結婚式の最中、その結婚待った!と空から突然いかつめなトロールが現れる 彼はトロール界では名の知れた有名なボーイズバンド Brozoneの元リーダー、JohnDory だった。彼はブランチに用があると言い出して……

もう面白い。

別に結婚式とめる意味あんま無いのがウケる
しかしここはベルゲンタウン 結婚式よりも突如現れた元アイドルのお兄ちゃん というゴシップを全員が優先します。
ジョンドリー曰く Brozoneのメンバーで兄弟の1人、フロイドが危険な状態にあり、助ける為には兄弟全員の力が必要だとの事。ブランチは「20年遅かったな」と断りますが、ポピーが割って入り「もし私に兄弟がいたら 絶対助けにいく」とブランチを説得し、芋虫のキャンピングカー?(マジで何か分からないし、鳴き声 ウオオオーみたいな感じで、なんか犬っぽくもあった。見て確かめてほしい。)で 兄弟を集めフロイドを救う大冒険に出かけます。

トロールズ、国内ではあまり話題になりませんでしたが、実は2作目はとても人気があります。
それもそのはずで、2は多種多様な音楽をライフスタイルとするトロールたちを通し 加害者、被害者両視点から見る「文化盗用」というハイコンテクストなものを誰にとっても分かりやすく説明していて 近年のアニメ映画の中でも類を見ない面白さなんですよね。

KーPOPトロールに対して戦闘態勢のレゲトントロール
(トロールズ ミュージックパワーより)

2の評価が個人的にかなり高く、これより面白いことは無いだろ… と思っていたのですが、 全くそんなことはなく 今回も最高を更新してくれました。
茶化しつつも真剣で、喧嘩しても分かり合えなくても誰も1人にしない ドリームワークスらしい作品でした。
ライブ感、セリフ、アニメーション、どこをとっても最高に面白くて、近年の続編作品の中でもかなり熱い続編だと思います。 大人も子供も 皆見終わったあとにはBrozoneのオタクになって帰ってくるだろう。

感想(以下はネタバレを含みます。)

まず何より Brozoneのメンバーを紹介させて欲しい。
独断の訳を含みます。

fun boy(チャラ男)担当
このポーズ初めて見た時爆笑した
heart throb(胸キュン)担当
リアコ多そう
Sensitive(繊細な奴)one 担当
なんかどういう担当なのか多方想像つくのが悔しい
Reader(リーダー)担当
リーダーっぽい これで実際かなり有害なの萌だと思う
BABY(赤ちゃん)担当
赤ちゃんに赤ちゃん以外の役割を押し付けないのP高い

初見、こいつらが大人になった姿で登場するのが楽しみで仕方なかった。 さいしょからこの勢いなので本当に 見始めて30秒くらいで 見てよかった。と思った。

この物語、主人公は完全にブランチです。ポピーにも出番や大切な役割がありますが、これはブランチのオリジンで間違いないです。
今までの映画では、ポピーに人生を変えてもらった幸運だけど悲しい境遇をもつ、偏屈で少し変わり者で ジャスティン・ティンバーレイク声のトロールでしかなかったブランチが ほんとうはだれよりも「音楽で人と心を通わせる」ことが得意、大好きだった。ということが明らかになり、同時に兄弟たちと再会する度に、ブランチがなぜ そうではなくなってしまったのか がわかる作りになっていて 全てのトリガーが音楽であることは同じですが、これまでのトロールズとは少し違う雰囲気があります。


今作に登場するブランチの兄弟はジョンドリーを除き、皆 「パフォーマンスとしての兄弟の絆、クオリティを保つために自分を我慢していた」という点で共通しており、そのため 解散した後の方が自由を謳歌していたりします。彼らの今の姿が アイドルだった当時彼らが何に束縛されていたのかを分かりやすく示しているのが 露骨だけど真実で、ドリームワークスだなー!と感じました。

胸キュン担当だったブルース

特に顕著なのがブルース、 彼は元々heart throb担当(マジで意味わかんない笑 小悪魔キャラだったんかな多分) で 本番直前まで腹筋をして、プレッシャーに押しつぶされそうになりながらもパフォーマンスに挑んでいました。 そんな彼の現在の姿は 名前を改名し、毎日がバケーションな島に移住しロングヘアをなびかせサーフィン。ふくよかで落ち着いており妻子持ちです。 セクシーの方向性が変わっただけで、引き続きセクシーなのは変わらない感じが良い。 ブルースが太ったことが悪い記号(怠惰、過食等)として利用されなかったこともめちゃくちゃ嬉しかった。  話が逸れましたが、そういう全部から ブルースが何から逃げたかったのかをやんわり感じとれるのがとても良かったです。

皆大人になって変わって 昔のことなんかなかったみたいに元気に抱きしめてくる家族に 同じように変わったはずなのに腑に落ちないもどかしさを抱え 拒絶してしまうブランチの描写が 細かいけど分かりやすくて良かった。
そんなブランチが 兄弟と歌って踊ることによって彼らを信じる気持ちを取り戻し始めます。

一方ジョンドリーは 完璧主義であるあまりパウンダリーを失い 兄弟たちを失なったあとなので、みんなから嫌われているところからスタート なのもとても面白かったです。

また、今作は アイドルグループの過度な(パフォーマンスとしての)結束性を否定していて、人どうしの絆よりも強いものは無い としつつも 「何のためであろうとあなたを召使いのように扱ったり、命令をしていい存在はいない」という事が強調されていて、物語の中で兄弟愛やひとつの目標に向かうチームなどの友情を美化する上で無視できない部分がきちんと描かれていたのが好印象でした。
敵も味方も兄弟のアイドルであることで 分かりやすくしていたと思います。
兄弟、同年代同士のグループが抱えがちなフラストレーションを全員が抱いている所から始まる というのも、面白いけど不穏でよかったですね。こんな境遇で育ったらブランチもああなる。(ブランチは実は最近までトロール村で唯一地下のシェルターに引きこもって暮らしてハグも歌も絶対にしなかった為 悲しきモンスター扱いを受けていた。)

不仲なグループに不安を覚える幼い頃のブランチ

その部分で最も評価したいのが、兄弟モノのステレオタイプにハマらず、どころかその時期を過ぎた 兄弟であることの弊害の理不尽さを忘れ大人になった後の兄弟の問題に焦点を当てていた点でした。

大人になった時にどう笑い話にしようと、当時感じた疎外感をなかったことにしていいわけが無い。これが後半のシーンでハッキリと描写されたことにとても安心しましたね。
幼い日のブランチの心の傷は たとえ音楽の力やポピーの存在があっても癒されるものではなかったはずなので、ブランチの救済に抜かりがなかったのは このコンセプトでやる意義を感じました。 大人の複数兄弟の描写でいえば「サクセッション」と同じくらい満足度が高かったです。

そしてエンディングはこの全てを みんなでカッケー歌歌って、ブチアゲることによって解決させます。私がミュージカルに慣れていないだけかもしれないけど、キャラクターの感情の動きと音楽が強くリンクしてるから、話し合いのシーンとかほぼないのがめっちゃ面白かった。喧嘩のシーンはあるのに
ブランチのオリジン、救済の物語でありながら、周りの人達をどんどん巻き込んでしまう雰囲気、キラキラした存在に圧倒される気持ちよさ 音楽と共に生きるトロールズの魅せる フィクショナルボーイズバンド表像は 全ての疲れを吹き飛ばします。

それとなによりも音楽!!! 本当に良かった… ラストバトルの曲なんて良すぎて見ながら拳を握りしめていた。
今作は著名なボーイズバンド(インシンク、バックストリート・ボーイズ、など)曲のカバーがメインで、ボーイズバンドの歴史を感じさせるMIXや、真剣にキラキラしてる俺たちってイケてるよな!お前ら行くで!全開な曲が多くて 「ボーイズバンドて笑 なんかジョナスブラザーズみたいなやつでしょ?」と思っていた私は叩きのめされました。

特にポピーも参加するこの曲ははめちゃくちゃ楽しかったですね、

それに負けず劣らずヴィランの曲も死ぬほどカッコイイ。 (1分過ぎたくらいの所から曲が始まります)
イケイケボーイズバンドに対して 超slayでqueenな双子アイドルをぶつけてくるのズルい!

感想では語らなかったけど途中出てくるヴィヴァ(CVカミラカベロ)のキャラクター設定もめちゃくちゃ熱かったり、これまでのトロールズが歩んできたものを一切蔑ろにせず新しいものを作っているのがとてもよかった。
4も絶対作って欲しい!! !

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