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なぜ日本人は災害にあっても冷静なのか?

山折哲雄著『「始末」ということ』 1 なぜ、日本人は、大災害に遭っても落ち着いた表情をしているのか? 世界の大災害時に、著者はテレビで人々の表情を観察するという。  スマトラ島地震、アメリカのカトリーナ、中国四川大地震など。 被災地の表情は、悲しみ、怒り、絶望感で一杯だと。 日本の阪神淡路大震災や東日本大震災では、みんな穏やかな表情をしていると。 深い悲しみは、世界も日本も変らないが、この違いは何なのか。  日本人

    • 今ここに生きるとは

      岸見一郎著 『今ここに生きる勇気』  フェイスブックで、いいね、を期待して投降すると、自分の思ってもいなこと を書いてしまう。人から認められたい、という思いがあるから。それが幸福を失う原因だという。 1 なぜ、こんなに恵まれた人が多く自殺するのか。  アドラーは、幸福は人格である。ひとが外套を脱ぎ捨てるように気軽に他の幸福は脱ぎ捨てることができる人が最も幸福だと。  しかし、脱げないのは、人からどう見られるかを気にし、人から

      • 人情を失って日本も堕落した?

        山折哲雄 高山文彦著  『日本人が忘れた日本人の本質』  1 アップルのジョブは死ぬ前に思った事とは? アップル社を創業したジョブズは、56歳でガンで死ぬ。最期に残した言葉がある。 「ビジネスで成功の頂点に立ったが、仕事以外の喜びは少なかった。自分が認められることや富は、死を前にして何の意味もない。 終わりを知らない富の追求は、人を歪ませる。神は、誰もの心の中に、富がもたらす幻想ではなく、愛を感じさせる感覚を与えてくれた。 死ぬ時には、富を一緒

        • 孤独とは

          下重暁子著  『極上の孤独』 1 一人での夕食で、思索できるか? 「誰かがそばにいると、神経はそちらに行く。誰にも気を使わずのんびり風呂に入り、一人で食事をし、思索に耽る一刻。この愉しさを知らない人に是非味わってほしい」と。 (独身者が仕事を終えて、帰ってすることは、テレビを見ながらの夕食ではないだろうか。 僕は、プロ野球を見ながら食べたり、他に面白いニュースはないかと、チャンネルをいじくる。。何せ落ち着かない。そのうちに、満腹になり、眠くなり寝てしまう。 毎日その

        なぜ日本人は災害にあっても冷静なのか?

          もし、間近に死が迫っているいるとすると

          田坂広志著  『言葉との邂逅』 1  「腫瘍の転移を知り、死を覚悟した井村医師は、  『飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ』 の中で、  その夕刻、自分のアパートの駐車場に車を止めながら、不思議な光景を見た。世の中が輝いて見える。スーパーに来る買い物客が輝いている。走り回る子供たちが輝いている。犬が、垂れ始めた稲穂が、電柱が、美しく輝いている。アパートへ戻って見た妻もまた、手を合わたいほど尊くみえたのでしたと。 また、画家の東山魁夷は、赤紙をもらい、戦争へ行くことになった。

          もし、間近に死が迫っているいるとすると

          小説家になるヒント

          曽野綾子著  『ただ一人の個性を創るために』 1 貧しさゆえに、自殺する前にすべきことは? 「実際に自殺を決行する前に、母は私に二つのことをしてみるようにと真顔で言った。まず事情を縷々と説明し、人に憐れみを乞い、何とかして金を恵んでもらうことである。それには、いかに自分たちが一生懸命やってきたのに運命に見放されたを、他人の心に打つように説明できなければならない。  もう一つは、母は私に、死ぬ代わりに盗みをなさい、と言ったのだ。だたし盗みは、盗まれる人に非常に迷惑をかける

          小説家になるヒント

          運を良くするには

          田坂広志著  『運気を磨く』 野球のイチロウは、苦手なピッチャーがいた。打てない時は、相手の投手をすばらしい可能性を引き起こしてくれるピッチャーですと、称賛した。 いつも、いかにポジティブな言葉を出せるかが、、人生を左右するようだ。 1 成功者は子供心をいつま持っている? 断崖絶壁の上に架かってある橋が30センチ幅の板の小橋なら、渡れるだろうか。おそらく、心の中で落ちたら死ぬ、という恐怖感で渡れないだろう。 三十センチ幅の道を踏み外すことなく歩く能力があるが、心中に

          運を良くするには

          スタインベック著 『ハツカネズミと人間』

          ジョンスタインベック著 『ハツカネズミと人間』 ジョージとレニーは、カリフォルニアの農場を転々とする。レニーは、脳に障害があり、認知症めいた行動をとる。レニーの性格がわかる個所を述べると、 「手で俺の体の骨をみんな折れるぐれえ力があるのに、俺に指一本ふれねえんだ。 みんなで、サクラメント川にたむろしていた時、  俺はすごく賢いような気がしてね。レニーに向かって、飛び込め、と言った。 やつは、飛び込む。ところが全くのカナヅチなんだ。やっと助け出したけど、もう少しで溺れる

          スタインベック著 『ハツカネズミと人間』

          法隆寺、四天王寺の謎

          梅原猛著  『塔』  1 垂直を志向する意志が、限りなく己れの権力を増大する意志であるなら、水平を志向する意志は安定を欲する意志なのである。  2 十字架にかかったキリストは、死してもなお直立していtる。彼にとって、地上に横たわることは、敗北にほかならない。彼は死においても、旺盛なる垂直への意志を保持していたと。  3 巨大古墳は自己を自然に見せかけようとする意志である。古墳は、自己を一つの山にならせようとする意志、あるいは山に見せかけようとする意志をもつ。古墳はピラミ

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          斎藤茂吉は少し勝手すぎる

          北杜夫著  『茂吉彷徨』  1 種々の樹々に当たって過ぎる風の音の中で、もっとも粛々としているのは松風ではなかろうか。その枝葉の形態からもそう想像されるし、また、松、という漢字の字面がいっそうその思いをつのらせると。  2 茂吉は、性格から、早飯、早糞、は美徳だと教えたと。  3 横文字が入った方が書生には勉強になるんだが。鴎外先生は横文字を入れて、文学の方に及ぼそうとした。ひとつの運動ですね。先生も晩年には考えが変わって片仮名になっているね。誰か一人くらい受け継ぐ人が

          斎藤茂吉は少し勝手すぎる

          村上春樹と河合隼雄

          『村上春樹、河合隼雄に会いにゆく』 村上春樹の小説がこんなに人気あるのは、体を日々鍛えて、文体が日々かわっているからではないか、と思う。 思想めいたものを持っていないが、文章が非常に読みやすい。  1 だいたい、日本の人生相談の質問は、本当に来ているのかどうか、あやしい。あんまり来ない場合は記者がつくったりしている。人生相談を読むの好きな人が多いゆえにと。  2 日本人の人生相談の回答は、ウン、ウン、とうなずいてやるか、叱ってやるかどちらか。これはこうだからこうしなさい

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          一人ボッチの戦略

          名越康文著  『ひとりぼっちこそが最強の生存戦略である』  1 セネカが言うには、人生は短くなどありません。与えられた時間の大半を、私たちが無駄遣いしているに過ぎなないのですと。  2 日常の怒りを払う方法をスリランカ上座仏教のスマナサーラ長老から作者は教わる。  やり方は簡単で、心に怒りがよぎった瞬間に、私は怒っています、とゆっくり三回唱えることだと。  3 感情的になっている時の私たちの頭の中は、他人や群れの視線で一杯になっている。上司からどう思われているか、友人

          一人ボッチの戦略

          加瀬英明著 『ジョンレノンはなぜ神道にひかれたのか』

           加瀬英明著  『ジョンレノンはなぜ神道に惹かれたのか』  1 物質が豊かになるにつれて、落ち着きがなくなる? 「今の人々は、なぜなのか、能率ばかり重んじて、急いでいる。  急ぐほど、心が傷つくものだと。 今日の日本では、人々が自分しか顧みず、つまらない欲得によって、休みなく駆り立てられているために、苛立ちやすい。  欲しいものが、何でも手に入るようになったのに、希望だけがなくなってしまった。 不満を解消するのに、怪しげな新製品やサービスを次々と求めても、すぐに飽

          加瀬英明著 『ジョンレノンはなぜ神道にひかれたのか』

          斎藤孝著 『55歳からの時間管理術』

           斎藤氏の本はやる気を起こさせる。氏は藤圭子、山口百恵、中森明菜ファンでCDをすべて買って聞くという。。  1 俵万智は、この味がいいね、と君がいったから7月6日はサラダ記念日に。二著情の何気ないことに着目して記念日にしたと。  2 ラッセルは、どんな体躯な仕事でさえ、たいていの人々にとっては、無為ほどには苦痛ではないと。  3 日本では、音楽会、美術館、いろいろな文化施設へ行っても、80パーセントは女性です。ヨーロッパでは半々なのに。日本の男性は世界でも稀有な存在です

          斎藤孝著 『55歳からの時間管理術』

          日本人の当たり前がすごい

          僕は、書いていると、外に出たくなる。スロージョギングをすると、発想するにはもってこい。 僕は、村上春樹が毎日、走っているとわかって、やってみると、かなり長続きしている。 この本を読むと、著者の茂木氏も一日10キロ走ることが生きがいだと。 僕なりの走る理論がある。初めは、三日ほどで足裏に豆ができて、続かないと思ったが、三日を四日に目標にしていると、段々、足裏があつくなったのか豆ができなくなった。ただ、肉を毎日食べないと、どうしても長距離を走れないとわかった。 日本の弁当がか

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          野口悠紀雄著 『産業革命以前の未来へ』

          好きな事をして、アッという間に時間がたち、その趣味がお金なって、世界一の時価総額を持つことが、アメリカでは可能だ。    アップルのジョブズは、こんなものがあれがあれば便利だのになあ、カッコよく、人に見せたくなるものを考えた。それが、iPhoneだった。  そのためには、社会システムに制限をできるだけ取り払うべきだ。日本はまだまだ、幼児段階のようだ。 年齢を重ねた日本の知識人は、パソコンやスマホを使う事を嫌う人が多すぎる。。 しかし、野口悠紀雄氏は、スマホアプリや

          野口悠紀雄著 『産業革命以前の未来へ』