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知っていることと理解していることは違う、みたいな話

朝、起き抜けにみていた夢のことを書く。


私の腕の中に、小さな見たこともない男の子がいた。私のしなびた乳をくわえて、こっちを見ていた。なぜかすごい風が吹いていて、とても軽いその子は、何度もふんわりと吹き飛ばされそうになっていた。
そうだ、子どもは軽いから、吹き飛ばされちゃうんだよなあ、なんて妙に納得して、いっしょうけんめい抱きとめていたところで、

目が覚めた。

当然、私の腕の中には赤ん坊なんかいなくて、隣ですうすうと寝息をたてる末娘と、夫と、長女がいて、2階からは倅が布団をたたむ音が聞こえていた。

今日が術後2週間の受診。
病理検査の結果説明を聞きに行ってきた。


胎児、12週相当。胎盤。悪性所見なし。

そんな言葉が、電子カルテからチラッと見えた。
夫の、ふうー、という大きなため息が隣から聞こえた。前妻さんを乳がんで亡くしている彼は、悪性でないかどうか、ほんとうに、それだけを、心の底から心配していた。
先にいくな、生きてくれ、と。

私の子宮だったものが、ホルマリン固定されたのだろう、血色を失って白く広げられ、病理検査の小さな写真になっていた。

初期の流産は染色体異常だったりして、何をどうしたってダメなもんはダメなことがほとんどで、母体のせいでも生活のせいでもなんでもないよ。

という言葉を知ってはいた。けれど。

私がこの子の妊娠に気づいていれば、子宮を喪うことも、輸血することも、受験生の正月休みをまるまる不安な気持ちにすることも、保育園児たちを毎夜泣かせることも、高額医療費制度を使ったもののじゅうはちまんえんなんていう請求書になることも、なかったのじゃないか、
もしかしたら、もうひとりウチにかわいいこが来たのではないか、

と今更思ったりして、

ああそんな未来なんて過去の選択が違ったとしても難しいに決まってるじゃないか、

と患者さんに話すように自分に言い聞かせた。

おねだんいじょう鍼灸師さん
https://mobile.twitter.com/onedanijouhari

には、某所にてこの数か月の体調不良をボチボチ相談していたりした。

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