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手帳がスカスカでも良いという話

自己紹介/前置き

 どうもジェダイ・ナツコです。A.K.A ムラカミです。
 2017年7月以降にわたしのTwitterをフォローされた方はわたしを一介のゲストボーカルとお思いでしょうが、2017年の7月まではどっちかっていうと手帳とか文具の人だったのです。
 2013年版からジブン手帳を使っており、2014年の12月にはジブン手帳同好会の管理メンバーになりました。そして2017年の3月に管理メンバーを辞退しました。仕事が変わって、ジブン手帳のバーチカルを使う必要がなくなったので。
 ジブン手帳同好会の管理メンバーをしている間に何回か「ジブン手帳同好会関西オフ会」の幹事をし、管理メンバーを辞してカク手帳をメインの手帳にしてからは「愉快な手帳オフ会」というオフ会の幹事をしていました。ちなみに、関西には「関西手帳研究会(てちょけん)」が開催する50人規模のオフ会がありますが、仕事の都合で参加できないため、自分で手帳オフ会を開催することになりました。自分で主催すれば絶対参加できるので。仕事が変わり、てちょけんのオフ会にも参加できるようになりましたが、てちょけんは人数が多い分、自分の手帳に対する熱い思いを余すことなく語るには時間が足りないので、引き続き「愉快な手帳オフ会」もほそぼそと開催していました。
 しかし、最後に手帳オフ会を主催したのは、いけぴょんと合同開催した2019年4月の「俺にしゃべらせ愉快な手帳オフ会」で、参加したのは2019年9月のてちょけんオフ会が最後でした。もう1年経つんだな。今年の2月のてちょけんは行くつもりでしたが、COVID-19のせいで開催自体がなくなってしまいました。その後はちょいちょいいけぴょんや奈符さんが開催するリモート手帳オフ会に参加したりしていました。
 前置きが長くなったけれど、要は手帳が好きで、手帳について語るのが好きなんです。と、こう言うと、さぞや手帳を使いこなしいているんでしょうね、と思われるかもしれませんが、答えは「ノン!」です。
 そもそもわたしがジブン手帳同好会の管理メンバーになったきっかけが、同好会内のちょっとした諍いに介入して、スカスカ組法度というものを勝手に制定したことで、一部の同好会員に管理メンバーと勘違いされたことに始まります。そこで同好会の管理人だったこっこさんからスカウトされて管理メンバーになったのです。
 こんなにスカスカでも堂々と手帳好きを公言し、同好会の管理メンバーに選ばれ、2016年の9月に発売されたジブン手帳ガイドブックにはスカスカ組として、ほんとにスッカスカのページが掲載されました。初稿をみたときは、出版社、正気か、と思いました。でも、のちに手帳オフ会で、「ムラカミさんのあのページを見て憑き物が落ちたような気持ちになった」と言われ、ああ、恥をかき捨ててあんなページを曝してよかったなあ、と思えました。

手帳が書けないからって駄目な人というわけではありません

 どうしてこんな話を始めたのかというと、9月は、手帳クラスタにとっては正月なのです。9月あたりから来年の手帳が発売され始めます。象徴的なのはほぼ日手帳でしょうか。9月は手帳クラスタが浮足立ち、来年の手帳をどうするか、どの手帳を使うか、どのように運営するか、「手帳会議」に花を咲かせる季節なのです。
 その悩みが嬉しい悲鳴となる人もいれば、深刻な自己嫌悪に陥る人もいます。「手帳が書けない」「手帳を使いこなせない」、そんな声がちらほら聞こえてくるのです。
 そういう声を聞くたびに、わたしは心が苦しくなります。そのように悩む人の大半は、手帳を好きで、手帳に期待をかけている人だからです。
 冒頭で2013年からジブン手帳を使っていると書きましたが、もちろんその前から手帳は使っていて、少なくとも1998年には手帳は複数買っていました。買っていたといって、使うわけではありません。かわいい手帳を見るとむらむらして欲しくなってしまうのです。
 お店に並べられている真新しい手帳たち。その紙の断面の美しく揃った様、数字の書体、添えられたイラスト、装飾的な枠線、様々な要素で手帳はわたしを誘惑してくるのです。手帳そのものが好きだ。物質としての手帳が好きだ。それに加えて、わたしは人様の手帳の使い方をみるのも好きで、SNSが盛んになる前は、日経ビジネス、日経ウーマンなどの雑誌の手帳特集を見れば買い、手帳の種類、手帳の活用法などの知識を自然に蓄えていきました。
 ところでそのような雑誌に取り上げられる人というのは、得てして華やかな経歴をお持ちの方たちでした。そうすると、なんとなく、手帳を使いこなせれば人生に成功できる、というようなイメージが一般に浸透してしまったような気がします。そこで逆説的に、手帳を使いこなせない人は成功できない、ダメなんだ、という認知の歪みを持ってしまった人もいるのではないでしょうか。当たり前の話ですが、手帳をそんなに使わずとも成功した人は手帳特集には呼ばれません。別に手帳を素敵に使うことができなくても人格がダメなわけでも、人生がだめになるわけでもありません。落ち着きましょう。
 しかし、手帳を活用してる人って素敵ですし、憧れますよね。この自分の目の前にある手帳もあのように活用できればさぞかし楽しいだろうって思いますよね。わたしも思います。
 え、思うの? スカスカ組の組頭なのに? って驚かれそうですが、そりゃわたしだってゴリゴリに手帳使ったりしちゃって、埋められたページ見返して充実感味わいたーい、と思いますよ。
 じゃあ、なぜ、しないのかって。それは、できないからですよ。手帳開く前にTwitter開いちゃうからですよ。Twitterに時間を溶かしているんですよ! この理由って限りなくクズっぽくないですか? でもね、わたしは言いますよ。誰にも迷惑かけていないので、わたしはクズではありません!! 手帳書かずにTwitter開いてても、クズではありません!
 まあ手帳が書けない理由がTwitterっていうのは下の下って感じは否めません。もっとまともな理由としては、仕事や家事、育児が多忙で疲れ切っている、趣味に時間をとられて手帳を書く時間がない、とかでしょうか。手帳を書ける人は、いやそれを管理するために手帳を書くんじゃん、と思われるかも知れませんが、わたしに関して言えば、モチベーションが全然続きません。
 思うに、ログをとって生活や意識を変えていくのって長期戦なんですよね。続けることによって自分の傾向や問題点が見えてくる。……いや、もたないんですわ! なんかとんでもないやらかしとかしてしまえば心を入れ替えて頑張れるのかもしれません。でもわりとギリギリで乗り切ってこれてしまっているだけに、手帳を書くというタスクを増やしてまでタスク管理をするに至らないという悪循環。悪循環というとやっぱりダメじゃん、と思われそうですね。ですが、疲れてるから一刻も早く寝る、とか、手帳書かなくてもなんとかなるけど、この映画を今観ないと心が死ぬ、とかの趣味優先型も、ある意味立派なライフハックだと思うんですよ。

手帳が書けなくてもわたしが気にしない理由

 そりゃ、新しい手帳を買うときはこの手帳を使うぞ、と意気込みもするでしょう。でもまあ、生活に支障がないなら、書けなくても気にしなくていいですよ、というのが、長年複数の手帳を買っては使わずに大晦日を迎えて来たわたしの結論です。わたしに至っては、手帳を買うときに意気込みすらしません。
 わたしは手帳を書くことが好きなのではなく、素敵な手帳を手元に置くのが好きなのです。使いもしない手帳を買うことをけしからん浪費だと思う人もいるかもしれません。しかし、その手帳を手元に置くこと自体でわたしの心は満たされるのです。わたしが使わなくても、この手帳を必要とするであろう人に紹介したい。この手帳を作った人の心意気を応援したい、そんな気持ちで購入することもあります。
 今のわたしの推し手帳、メインの手帳はカク手帳ですが、かなりユニークな構成の手帳です。
 この手帳を推したいがために、複数購入して、自分のオフ会で配るなどしました。
 わたしの手帳はたしかにスカスカです。しかし、わたしが手帳を愛していないなどとは誰にも言わせはしない。そのような意気込みで手帳オフ会の幹事や、スカスカ組の組頭などもやっております。
 だから、わたしは「手帳が使いこなせない」という表現が好きではないですし、「手帳が使いこなせない」と仰り落ち込まれている方にはもう一度問いたいのです。「あなたは本当に手帳を書きたいのですか」と。「なぜ手帳を書きたいのですか」と。「手帳を使う目的はなんですか」と。わたしは手帳を埋めることだけが「手帳を使いこなす」ことだとは思いません。空白が多くとも、必要最小限のことだけ書いて、自分が把握できていればそれはそれで「使いこなしている」と言えると思います。
  また「手帳を使う目的」を突き詰めていった結果、手帳ではなくスマホなどのデジタルガジェットの方が向いている、という人もいると思います。スマホにはリマインダーやタイマーなど便利な機能があります。もちろん、紙の手帳にはスマホに勝る視認性やアクセスの速さ(アクセスの速さに関しては順応度によって個人差があると思いますが)、そしてなにより造形美がありますので、手帳が好きなのに、スマホの方が向いている自分、というものに抵抗を感じる人もいるかもしれません。
 しかし、手帳よりもスマホを便利に使っているからといって、あなたの手帳を愛する気持ちが弱くなるわけでも、手帳があなたを嫌うわけでもありませんよ。いいじゃないですか、手帳を愛でつつ、デジタルガジェットを使ったって。なんの悪いことがありましょうか。
 そしてまた、わたしがスカスカ組としてツイートしてるのを見て、手帳を使いたい人に堕落の道を勧めている、みたいなこれまた認知の歪んだ解釈をする人もたまにいらっしゃるのですが、わたしは前述のように毎年、金を払って手帳特集の雑誌を買って人の使ってる手帳を見て喜ぶような人間ということを忘れないで頂きたい。手帳をがつがつ使っている人のことも大好きですし、自分は手帳を書かないくせに活用方法や知識はいっちょ前にある方なんです。
 ですから、手帳が思うように使えないなー、という人がいたら、根ほり葉ほり聞いて、こういう手帳があるよ、こういう使い方があるよ、とある程度提案はできるんですよ。その提案の一つとして、それ手帳でなくても良くないですか、無理して手帳書かなくてもよくないですか、という提案をしているだけです。
 手帳を使いこなせない、と仰る方の中に一定数、それはただ、手帳を使って楽しそうにしている方たちに憧れているだけで、ご自分でなさるのには動機が弱いですよね、という方がいらっしゃいます。そういう方は、こちらがいろいろ提案しても、「うん、でも……」とできない理由を探して来てしまいます。なぜそう言えるかって、わたしがそのタイプだからですよ!!!!!
 そうしてわたしは長年、わたしは手帳が使えない、だめな奴だ、また使いもしない手帳を買ってしまった、なぜなんだ、とぐるぐるした結果、「わたしは手帳をマテリアルとして愛しているのであって、手帳を書いたり埋めたりする欲求がさほどあるわけではなーい! 手帳を使って自分の人生をより良くしたいとも実は思ってなーい! 素敵な手帳を手に入れて、この手帳のここがいいよね、うへへ、とか人に言いたいだけー!!!!」ということに気づいてしまったんですよ。
 ねえ、あなたもそうじゃないんですか? 認めてしまえば楽になりますよ。ふふふふ。
 とか怪しい人になっていますが、わたしの望みは一つです。
 不必要に自分を卑下して苦しんでいる人に、わたしを見て笑って欲しい。
 以上、スカスカ組 組頭 ムラカミ A.K.A ジェダイ・ナツコでした。

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